shriek/dummy-xD
1. region
2. ヘドロと母胎
2014年に会場限定でリリースされたdummy-xDの2nd EP。
2016年にGt.高麗匠さんが脱退して活動休止期間に入ってしまう彼ら。
最近になって再び動きが見え始めてきている彼らですが、本作は、フルメンバーが揃い、ある種もっとも脂が乗っている時期の作品と言えるのかもしれません。
収録されたのは、2曲ともVo&Gt.ankouさんが作詞・作曲を担当した楽曲。
単独公演での限定販売ということもあってか、よりディープな一面を見せていたといったところでしょうか。
「region」は、繊細なギターのアルペジオと、浮遊感のあるコーラスでスタートするギターロック。
緻密に重なる鋭角的なギターや複雑な構成、動と静が入り混じるノイジーなサウンドは、マスロック的なアプローチとも言えるでしょうか。
それにしても、ankouさんの歌声は存在感があるな、と。
インストパートに注目が集まりそうな音楽性であるにも関わらず、しっかりと耳を奪ってしまう独自性の塊。
少年のようなナイーヴさもあり、どこか渋みを帯びた枯れ感もあり、終盤のストレートになる展開での感情の高まりも絶妙でした。
更に深く潜っていくのは「ヘドロと母胎」。
リズムも音階も、何が正しくて、何が間違っているのか判別が難しい不協和音の中にいるはずなのですが、相反する心地良さも同時に感じるという不思議な体験。
声と楽器の境目も曖昧になるほど音の中に溶け込んでいく感覚があり、まるで素面でトリップしているような気分に陥るのですよ。
精神に直接訴えかけるような、dummy-xDの最深部。
CDの入手は困難ですが、配信で聴くことは可能ですので、この手のサウンドが好きな人は、今からでも彼らの闇の中に飛び込んでみてはいかがでしょう。
<過去のdummy-xDに関するレビュー>