モルヒネ/モルヒネ
1. 拝啓、被害者の君へ
2. Sweet poison Lolita rock
3. 花霞
4. 包帯少女
5. ℃ロ℃ろ実験
6. 乙切り荘
7. それではみなさんさようなら
8. 僕に降る雨
9. 死刑執行
10. お前みたいな奴が死ねばいいのに…
11. さよなら人生
12. 崩壊
13. Another Story
14. ばか
2018年にリリースされたモルヒネのベストアルバム。
"中毒性、依存、痛み"をバンドコンセプトに2017年に結成。
結成1周年のタイミングでリリースされたベスト盤は、彼らの音楽に触れるにあたり、実に網羅性が高い作品となっています。
というのも、活動期間が1年半と短く、本作と、その後にリリースされたミニアルバムさえ押さえておけば、ほぼ全曲が揃うという状態。
発表済みの楽曲だけに飽き足らず、新曲を追加したうえにリマスタリングも施されているため、リアルタイム勢にとってはやきもきする内容かもしれませんが、後から振り返る分には、これほどありがたい作品はないと言えるでしょう。
バンドによっては、ベストアルバム扱いではなく、1stフルアルバムとしてリリースされていてもおかしくない内容ではないかと。
さて、その音楽性は、なるほど癖が強い。
ダークな世界観に、ラウドなサウンド。
メロディアスな要素も垣間見えてくるので、さらりと聴いた限りでは、王道的なアプローチをとっている印象でした。
一方で、予想外の展開を見せるギミックや、独特な歌メロの重ね方により、なんとも風変りな耳ざわりになっているから面白い。
歯車がかっちりハマればベタなコテコテ系サウンドになってしまう土台に、あえて少しハズす遊び心。
曲順についても、ただ並べただけでなく意図を感じられ、ベスト盤と侮るなかれ、流れを生み出す工夫にも溢れていますね。
実質的には、mama.の前身バンドとなるのかな。
ストレートにメロディを押し出して疾走する新曲「Another Story」から、ライブの定番曲である「ばか」に繋ぐクロージングは、王道経由カオティック行き。
ベスト盤だけあって個々の楽曲のクオリティが高いのは当然として、持ち曲が少ない中でカップリング曲が作品全体のバランスを整える役割を担っており、メリハリある構成に仕上がっています。
歌詞が記載されたブックレットがあれば、なお良かったのだけれど。