死刑台のエレベーター / deadman × cali≠gari | 安眠妨害水族館

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死刑台のエレベーター/deadman × cali≠gari

 

1. Sacrifice

2. 死刑台のエレベーター

3. Sacrifice feat.石井秀仁

4. 死刑台のエレベーター feat.眞呼

 

cali≠gariとdeadmanのツーマン公演を記念して制作された会場限定CD。

カップリングCDではなく、あくまで共作音源となります。

 

石井秀仁さんと眞呼さんのツインヴォーカルに、Gt.aie、Ag.桜井青、Ba.村井研次郎という両バンドが全員参加した編成。

どちらもドラムレスのため、ゲストドラマーにはcali≠gariのサポートである中西祐二さんを迎えてのレコーディングとなりました。

写真集+インタビューブックが付属する豪華仕様で、5,000円と決して安い値段設定ではありませんが、この2バンドが集結するというプレミア感を踏まえれば、むしろコストパフォーマンスは良いと言えるのかもしれません。

 

トラック数としては4曲入り。

ただし、驚くべきなのは、オケがすべて同一なのですよ。

眞呼さんが歌詞と旋律を担当した「Sacrifice」と、まったく別の歌詞とメロディを石井さんが乗せた「死刑台のエレベーター」を並行して制作。

更には、ヴォーカリスト2名が、それぞれを編集して、コラージュ作品を2パターン作成。

1つの楽曲から4つのトラックを作り出す錬金術で、ボリュームは満点です。

 

そのアイディアだけでも面白いのですが、作曲方法にもこだわりが。

というのも、cali≠gariの"C"、deadmanの"D"、エレベータ―の"E"と、3つのコードを基本として楽曲を構築。

それでいて、名古屋系に特化した楽曲として完成させてしまうのだから、さすがはaieさん、青さんの超強力コンポーザー陣だ、といったところ。

aieさんの乾いたギターに、研次郎さんの動き回るベースが重なるのが、なんだかとても新鮮ですね。

青さんのアコースティックギターも効いていて、即席的なセッションとは思えないほどのシナジー効果があったな、と。

 

また、「Sacrifice」はdeadmanっぽく、「死刑台のエレベーター」はcali≠gariっぽく聴こえるというのが興味深い。

必ずしも歌詞を書いたほうがメインヴォーカルということではなく、どちらもバランス良く掛け合いをしているので、お互いの強みを出しながら、もう片方の引き出しを広げる企画になったのでは。

Aメロはこちら、サビはもう一方が好きだな、と思っていたら、組み合わせを変えたコラージュトラックまで待っているのだから、隙がないというか、ニーズをわかっているというか。

 

コロナ禍でライブの延期が続いている関係で、通信販売での取扱が解禁。

すぐに規定枚数に達してしまったようですが、シーン全体を賑わせたdeadmanの復活に、cali≠gariが力添えをした衝撃作。

幅広い地域のリスナーに届いたという点に関しては、良かったのではないでしょうか。

アートワークも含めて、隅から隅まで楽しみたい1枚。