サクラ吹雪/SINLA
1. サクラ吹雪
2. サクラ吹雪-instrumental-
2015年にリリースされたSINLAの会場限定シングル。
関東を中心に活動していた彼ら。
流通音源を残すことがなかったため、情報社会に埋もれてしまったバンドのひとつと言えるでしょうか。
Vo.陽、Gt.夢斗、Ba.唯、Dr.敬というメンバー編成。
収録された「サクラ吹雪」は、作詞・作曲を夢斗さんが担当しています。
内容については、ゼロ年代以降のヴィジュアル系における、サクラソングの王道。
わちゃわちゃした演奏を取り入れつつ、基本線としては切なく疾走するメロディアスなナンバーに仕上げていますね。
イントロや間奏は、むしろアグレッシブな印象を受けるので、サビからスタートしたのは正解かと。
メロディのインパクトが強められたことで、ハードさよりも、歌モノであるというイメージが先行。
その後の展開に活きていました。
ヴォーカルにやや垢抜けなさがあり、完成された1曲と捉えると、そこまで突き抜けた感はないのかもしれない。
ただし、V系リスナーのツボを的確に捉えた楽曲構成にしても、どことなくレトロな雰囲気を漂わせ、哀愁色を強めるメロディにしても、初期衝動として期待値を高めるには十分な出来だったのですよ。
このセンスを持つバンドが、成長して流通作品を作り上げたら。
レコーディング技術が向上したところで、代表曲としてリテイクされたら。
入手難易度は相応に高くなってしまいましたが、そういうロマンが感じられた1枚でした。