うたってきりりんぱ / 鬼龍院翔 | 安眠妨害水族館

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うたってきりりんぱ/鬼龍院翔

 

1. サウダージ(ポルノグラフィティ)

2. Vanilla(GACKT)

3. 楓(スピッツ)

4. 糸(中島みゆき)

5. 白日(King Gnu)

6. Pretender(Official髭男dism)

7. 妄想日記(シド)

8. 最後の雨(中西保志)

9. M(PRINCESS PRINCESS)

10. 傷だらけのローラ(西城秀樹)

 

ゴールデンボンバーのVo.鬼龍院翔によるカヴァーアルバム。

 

戦略家としても名高い鬼龍院翔。

今度は、オフィシャル通販を委託しているsilkroad storeの【CD 2,000円以上ご購入で送料無料】というルールを利用し、2,000円のCDをリリースすることで他のグッズの送料無料の抱き合わせ商品にしようと立ち上げました。

実際、小口のグッズ購入の際に送料がネックになるのは往々にしてある話。

一方で、通販限定CDがあれば購入はマスト。

前々から買おうか買わぬか迷っていたグッズについて、背中を押されたファンも多かったのではないでしょうか。

 

ファンクラブ内でのリクエストによって選曲された、全10曲のカヴァーを収録。

歌謡曲としての王道から、J-POPシーンにおけるカラオケの定番に加え、比較的最近の流行であるKing GnuやOfficial髭男dismのヒット曲に、シドの「妄想日記」が並ぶ、鬼龍院翔が2020年にリクエストを募らなければ実現しない異色のラインナップとなっているのではないかと。

カラオケで歌っている感を出そうとしていると思われ、アレンジについては、時代感を反映しながらも音質が一定になるように調整したという印象ですね。

原曲のイメージを損なわないように心を砕いたのだろうな、と思わせ、ある種、彼の誠実さがアレンジ面での注文へと出ているのかもしれません。

 

裏を返せば、カヴァーアルバムとしての面白味には欠ける部分もあるのだが、原曲リスペクトな分、意外性の高い選曲は純粋に面白い。

透明感のある歌声が肝となる「楓」や、お洒落さが求められる「白日」では、"これをこう歌うか"とか"こんな歌い方もできたのか"など、鬼龍院さんのポテンシャルの高さを見せつけられます。

当然、聴く前から相性の良さが想像できる「サウダージ」や「Vanilla」が機能していないわけでもなく、期待通りと意外性のバランスの配分が上手い。

色々な属性の人が、それぞれの文化に応じた定番曲を入れていく職場のカラオケのようなセットリストを、よくもまぁ、ここまでひとりで歌いこなせるものだ、と。

その意味では、これを押さえておけば、界隈外のカラオケに参加することになっても困らなそうな1枚。

もっとも、今までどおりにカラオケに行けるようになるのは、いつになるのやら、といったところではありますが。

 

<過去の鬼龍院翔(鬼龍院翔fromゴールデンボンバー)に関するレビュー>

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