個人資産/鬼龍院翔
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個人資産(CD+DVD)
1,630円
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1. Love Days
2. メロメロバッキュン
3. きかせて!アンコール
4. Miren
5. バッドエンディング
6. アメリカ
7. ブリリアント ワールド
ゴールデンボンバーのボーカリスト、鬼龍院翔によるソロアルバム。
他アーティストに提供した楽曲を中心に収録した、セルフカヴァー作となります。
前作は、90年代のヒット曲のカヴァー。
今作も、本来は自分用に作曲したわけではない楽曲のセルフカヴァーということで、ソロ活動の位置づけがはっきりしていると言える鬼龍院さん。
あくまで、自身で歌う楽曲は、ゴールデンボンバー用として書き下ろすという矜持があるということなのでしょう。
とはいえ、なんだかんだ作詞・作曲をやっていれば、キリショー節が滲み出てくるもので。
90年代ポップスから踏襲されるキャッチーなメロディや、シンセを多用したアレンジは、もはやお約束といったところ。
ステージパフォーマンスまで考慮する必要がない、という点を踏まえれば、むしろ、こちらのほうが純度が高いのでは、と思えるほどです。
彼の音楽が好きであれば、何も気にせず聴くことが出来るでしょう。
一方で、他のアーティストが歌うことを意識して書いた楽曲だからこそ、普段と違う視点も入ってくる。
特に、氣志團に提供された「きかせて!アンコール」については、もともとのリスペクトの強さも相まって、お互いの良さを引き立て合うコラボレーションの醍醐味がバシバシと。
「イミテイション・ゴールド~金爆の名曲二番搾り~」などで、"他アーティストが作りそうな楽曲をオリジナルで生み出す"という観察眼の鋭さを示していましたが、そんな試みを本家を通じて行うことで、鬼龍院さんの引き出しをより広げることに繋がっていたのでは。
また、詰め合わせであるにも関わらず、楽曲のタイプが良い具合にバラけているのも良いですよ。
オリジナル作品として発表できる構成になった、というのは結果論かもしれませんが、"ちょっと真面目すぎるな"と思ったところで、2013年にライブで披露されていた待望のネタ曲、「アメリカ」が初収録というのも効いている。
タイトルである「アメリカ」を、クドいくらいに連呼するだけのナンバーで、インパクトは絶大でした。
加えて、ボーナストラックであるMUCCの「ブリリアント ワールド」のカヴァーも聴きごたえあり。
トリビュート作に参加した際の楽曲であり、改めて自身のアルバムにも収録されることになったようです。
「アメリカ」の直後に、こんなにも清々しくバラードを歌い上げてしまう振れ幅の広さ。
作品の性質上、独自の世界観を濃厚に、テーマ性を強めてコンセプチュアルに、とはなりませんが、割安な価格設定もあり、十分にコストパフォーマンスが良いと言えるはず。
さすがに他ジャンルまでは、と拾い切れていなかった名曲たちを救い上げる、個人的にもリリースが嬉しかった1枚ですね。
<過去の鬼龍院翔(鬼龍院翔fromゴールデンボンバー)に関するレビュー>