Memorial/GRACE INFINITY
1.
2. BACK STAGE
3. HELION
4. Darts
5. BUGS SUMMER NIGHT
6. STANDBY LOVE
北陸を拠点に活動していたGRACE INFINITYのラスト・ミニアルバム。
当初はINFINITYとして活動していましたが、2015年にGRACE INFINITYへ改名。
残念ながら2018年に解散となってしまいますが、本作は、その解散ライブにて販売されたタイトル通りのメモリアル作品です。
Vo.YUMA、Gt.HIRO、Ba.ko-kiという編成で、作詞・作曲をYUMAさんとHIROさんが半々で担当。
ある程度の方向性は一致させつつ、それぞれのルーツが音楽性に表れているのが興味深いですね。
YUMAさんが作曲している「BACK STAGE」、「Darts」は、ゼロ年代からの影響が強いアイディア重視のナンバー。
「BACK STAGE」におけるリスナー層を絞り込んで共感を得る手法や、「Darts」におけるジャジーなアプローチを、メロディーの良さを武器とするバンドのスタイルに上手く落とし込んでおり、化学反応を生んでいました。
一方、HIROさんの楽曲は、もっと源流的なベタで耽美なヴィジュアル系をルーツとしているようで、特に「BUGS SUMMER NIGHT」の甘美な歌メロはたまらない。
作詞がYUMAさん、作曲がHIROさんと、それぞれのセンスが融合した「STANDBY LOVE」での大団円も聴きどころです。
作品トータルとしては、やや雑多な印象を受けるも、リリースの背景を踏まえれば、1曲でも多く世に残してくれたという点に意味があるでしょう。
この内容で1,500円という価格設定であれば、コストパフォーマンスは十分。
音質やミックスバランスのクオリティはそれなりではあるものの、ポテンシャルは感じられました。
活動地域が限定的すぎて、全国的にはほとんど知られることなく、埋もれてしまっている現状はもったいない限り。
本作についても、当然ながら入手困難なのですが、何かの拍子で見かけることがあれば、地方バンドに目を向けてみるのも一興かと。