ウソとカギ/枯葉花 / Pink Film | 安眠妨害水族館

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ウソとカギ/枯葉花/Pink Film

 

1. ウソとカギ

2. 枯葉花

 

Pink Filmが、2002年にリリースした2曲入りの1stシングル。

 

現在はMr.ChickenHat Timers、過去にはSCISSORやMix Speaker's,Inc.に所属していたVo.MIKIさんが在籍。

Gt.ミヒロさんは、後にGill'e cadithやシリアル⇔NUMBER、Ba.慎吉さんは、コロシやCuartetで活動していました。

当初は狂夜というバンド名でしたが、メンバーの脱退等を経てPink Filmに改名。

本作は、シリアルナンバー付き、限定500枚で発表された唯一のCD作品です。

 

「ウソとカギ」は、寸劇からスタートするミディアムナンバー。

どことなくレトロなフレーズを奏でるギターと、MIKIさんのハスキーボイスが、アングラとお洒落系の間といった雰囲気を出していますね。

淡々と進行していく構成であるも、曲の途中に寸劇を重ねていくことで起伏をつけるアプローチが特徴的でした。

もう1曲の「枯葉花」も、哀愁が漂う同系統の楽曲。

オルゴール風のSEからスタートしたり、語りパートやエフェクトボイスのパートがあったりと、90年代コテコテ系を踏襲するような手法を取り入れて違いを生みつつ、淡々としたミドルロックテイストを押し出していきます。

 

初音源に、この手の曲調を2曲入れてくるというのは、ある種、意表を突いた形。

Pink Filmとしてはこういう音楽性だ、というのをはっきりと示したと言えるでしょう。

MIKIさんのその後の活動を踏まえれば、まだまだ発展途上感は否めませんが、個性化するための工夫は見て取れる。

既に歌声としては出来上がっている点も、歴史を振り返る観点では興味深いであろう1枚です。