暴虐のグルチアーゼ/シアトリカルロックホラーミュージカル「ZAKLIA」
1. 【怨念歌】
2. オブセッション
3. 黒と蒼のゴシカ
4. 菫色に腐乱して行く香り -淫レ淫ラ- 【磔】 (Remix)
5. 忘却のグルチアーゼ
シアトリカルロックホラーミュージカル「ZAKLIA」が、2015年にリリースした1stミニアルバム。
リリース当時は、Vo.響牙、Gt.あんじぇろ、Ba.竣という編成。
その後、メンバーチェンジを経て、バンド名をZAKLIAに改めると、医療系バンドとしてリスタート。
常に"どこか気になるバンド"であり続けましたが、2019年に休侵（活動停止）となっています。
"シアトリカルロックホラーミュージカル"というコンセプトのとおり、和風要素を強めたダークチューン「【怨念歌】」や、カオティックな構成の「オブセッション」など、序盤の楽曲にはシアトリカルな演出も。
それぞれ、和洋のホラー感をまったく別の切り口で捉えているとも言え、オムニバス形式のストーリー仕立てで進行していくのかな、と期待感を高めます。
そこからは、疾走メロディアス系の「黒と蒼のゴシカ」、ゴシックテイストとダンサブルなロックサウンドを融合した「菫色に腐乱して行く香り -淫レ淫ラ- 【磔】」、表題曲である「忘却のグルチアーゼ」と、比較的王道的なナンバーを固めて、ロック要素を強めているでしょうか。
演劇仕立ての作風を想像してしまった中では、ややコンパクトにまとまりすぎた感はあるのだけれど、好きな人にはズバッとハマるベタな展開。
こういう割り切りもあるのだな、と。
ドラム不在の影響か、音は軽め。
適度に同期も取り入れて演出に配慮していますが、ちょっとコンセプト負けな感は否めませんね。
とはいえ、何が飛び出すかわからないワクワク感が、ZAKLIAの武器となっていたのも事実。
結果論として、"シアトリカルロックホラーミュージカル"のインパクトが強すぎて、ハードルが高くなりすぎたのがもったいなかったということなのか。
粗削りで、音楽性が定まり切っていないけれど、それもまた魅力のひとつとなっていた１枚です。