B.N.M./BRAND NEW MIND
1. Memorial Blue
2. 風にさらわれて
3. if promise...
4. Once Again
5. CHERISH
6. ideal time
7. 夜想曲～Flowing Days～
8. 哀愁
9. 破片
10. Fly Away
小倉出身のBRAND NEW MINDが、1998年にバンダイからリリースしたフルアルバム。
疾走感を意識したビートロックに、透明感のあるメロディを重ねて、ソフト・ヴィジュアル寄りの白系サウンドを展開していた彼ら。
Vo.SATOSHIさんの甘い歌声は、ヴィジュアル系特有のクドさがなく、爽やかさすら感じます。
技術的には未完成だった点も見られますが、どのような楽曲にもマッチする汎用性の高い声質は、実は大きな武器。
ロックテイストが強い楽曲では硬派に、ポップで華やかな楽曲では甘く可愛く、それでいて癖も少ないのだから、もっと表舞台で磨かれていれば化けていたのかもしれません。
万能さだけが先立って、結果としてパンチに欠けてしまったのがもったいないな。
切なくも鮮やかな「哀愁」、LUNA SEA直系のストレートな王道V-ROCK「破片」、ポップさと疾走感を掛け合わせ、ラストの盛り上がりを彩る「Fly Away」と、終盤の３曲が聴きどころ。
特に「破片」では、サビに入るたび、ドラムのキメのタイミングに合わせてグラスが割れる効果音が鳴り響く過剰演出っぷり。
今となってはメタ的視点で面白さを感じてしまう部分かもしれませんが、これ、古き良き高揚感を煽るギミックだったのですよ。
後半の流れだけなら、もっと話題になっていもおかしくなかっただけに、そこまでの運び方が無難に終始してしまったのが惜しまれます。
メジャーからのリリースを意識しているからか、ポップ要素は全体的に強まったものの、ロックバンド然としたアレンジにはこだわったことが伺える。
とにかく王道的な楽曲構成が詰まっているので、90年代ソフヴィ系の入門書としては、案外機能するのでは。