秋夜恋歌/Lilith~りりす~
1. 09.16
2. 69人目の×××
3. 四ッ谷サイダー・改訂版
2004年にリリースされた、Lilith~りりす~のシングル。
ex-ヴィドール、AngeloのGt.ギルさんが、麗~うるは~名義で在籍。
ただし、作曲の大半はVo.沙雪~さゆき~さんが担っており、音楽性としては面影を感じる部分は少ないでしょうか。
良くも悪くも、当時の流行であったコテオサ系。
わちゃわちゃとギミックを過剰に詰め込んだサウンドに、声を作らず、地声に近い状態で喋るように歌うスタイル。
ライブでのステージングを優先にしつつ、サビでは哀愁を帯びてメロディアスさも求めていきます。
やや音はチープではあるが、「09.16」における歌謡メロでのサビに、フレーズ重視のギターソロが続く場面はたまらないですね。
「69人目の×××」は、更にごちゃついたイメージを持たせて賑やかに。
煽り曲的な位置づけなのかと思いきや、上には上があったと驚いたのが「四ッ谷サイダー・改訂版」。
潔いほどに煽りパートに特化した楽曲で、あえてライブと同じ構成にするために、煽りの台詞やメンバー紹介も交えて進行していきます。
CDのリスナーに対して、低めのテンションで煽っていくのが斬新すぎる。
オーディオの前で頭を振れ、回れ、咲けと煽るのだけれど、"車を運転している人はやめましょう"と律儀に注意する場面には、ついつい笑ってしまいました。
ふざけているのか、真面目なのか、境界が曖昧であればあるほどコテオサ感は増していくのだが、その意味で彼らは絶妙。
ギルさんのルーツを、と考えて手を出すには注意が必要だが、ゼロ年代中盤のコテオサ文化のノリが好きであれば、「四ッ谷サイダー・改訂版」の先取りしすぎた無観客ライブは面白いかもしれません。