人間です。/カカトオトシ。
1. 『少年』
2. 人間です。
3. 満たされない。
令和元日に始動したカカトオトシ。の1stシングル。
人間盤、筋肉盤、骸骨盤の３タイプ同時リリースとなっており、それぞれ収録曲が１曲差し替えられています。
破天荒なステージングで話題を集めるVo&Gt.写楽さんをはじめ、メンバー全員が強烈な個性を放っている彼ら。
音源にて触れてみると、なかなかどうしてスタイリッシュでお洒落なギターロックを奏でているから面白い。
この音楽から、あの生々しいライブは想像できないだろうよ、というぐらいのギャップを生んでいて、余計に彼らが気になってしまう仕掛けになっているでしょうか。
【人間盤】にのみ収録されているのは、『少年』。
他の２枚では、差し替え曲は３曲目に収録されたのに対し、これだけ１曲目に配置されているのが意味深です。
スリリングに展開するミディアムロック。
２本のギターが緻密に絡み合い、ドラマティックさを助長していますね。
内向的な歌詞と、唐突に終わる刹那的な感性が、テーマを象徴していると言えるかな。
表題曲である「人間です。」は、シングル曲らしいギミックが多く敷き詰められた楽曲。
Ba&Vo.守護霊さんとのツインボーカルや、Gt.カービィtheDEADさんのライトハンド奏法、語り調のパートやバンドらしい掛け合いまであって、全部盛りのような充実っぷりです。
サビにはキャッチーさもあるのだけれど、コーラスが浮遊感を高めていて、お洒落な雰囲気を維持しているところがポイント。
ギターボーカルスタイルが、見事にハマった楽曲でした。
そして、実質的に両A面では、と思えるほどキラーチューンとなるのが「満たされない。」でしょう。
MVも制作されており、現時点での代表曲と言えそうなナンバー。
この曲は、メッセージ性の高さはもとより、とにかく構成が秀逸です。
サビでの高揚感は抜群で、間奏に入っても勢いが継続。
ラストシーンに至るころには、更にエモーショナルなバンド演奏となっており、これは凄いな、と。
Dr.ぴかそさんが手掛けたアートワークも含めて、異質な才能が集まって化学反応を起こしたエモーショナルなロックサウンド。
何気に、テクニカルなギターが聴きどころだったりするのかしら。
ライブでのアグレッションをそのままパッケージするには至れていない印象ではありますが、それは現実的な伸びしろ。
1stEPの発売も決定し、2020年のシーンを騒がせてくれそうな新人バンドのひとつです。