nurié 初無料ONEMAN「人間になってよ!」に行ってきました。
個人的な感覚として、無料ライブは苦手と言いますか、行っても入れないのではないかとか考えてしまう性質で、かえって足が遠のいてしまっていたのだけれど、直近で行ったカカトオトシとのツーマンが良かったのと、知人に声をかけてもらったことに背中を押された形。
実際、不安は当たらずも遠からずといったところで、ちゃんと入れはしたけれど、会場はいっぱいでしたね。
客入れの途中で物販の位置を後ろに下げていたぐらいで、早めに到着しておいて良かったなと。
この日、先行発売となった2ndシングル「人として人で在る様に」の収録曲を散りばめながら、これまでの集大成的な内容となったセットリスト。
どのような熱量になるのか、誰も想像がついていない状態でスタートしたのが「透明に混ざる。」で、一気にテンションが上がっていく。
音源化されている楽曲が少ない中で、キラーチューンを出し惜しみせずに使ってきたのは正解。
盛り上がって良いのだな、という明確なメッセージとして受け取ることができました。
正直なところ、序盤はヴォーカルの不安定さが気になった。
声を張る部分でブレがあったり、歌詞が飛ぶような場面があったり。
ただし、その理由は「モノローグ」の後に差し込まれたMCで判明。
1曲目からVo.大角龍太朗さんが、人でいっぱいになったフロアを見て感極まり、言葉が詰まっていたと思われる。
自信満々で突き進んでいるように見えていた大角さんの、人間味というか、感傷的な部分に触れた気がして、ここでひとつ吹っ切れた気持ちがあったのですよ。
もともと感情が込められたメッセージソングが強みだった彼らではありますが、想定していなかったであろう感情の動きが、ぐっと心を掴む演出になっているあたり、やはりnuriéに期待しているものは、いかに感情を揺さぶってくれるかなのだよな、と再確認。
その次が、随一の遊び曲、「骨太もんちっちくん」だったので格好付かなかったところはあるのだろうけれど、これぞライブ、という感覚でした。
MCの際は、Gt.廣瀬彩人さんが雰囲気作りのフレーズを弾いて、大角さんが台詞調で語る形式が基本路線。
その意味では、MCですら世界観の一部と言え、楽曲の背景を浮き彫りにし、立体的に追体験できるようにしてくれる。
「人間になってよ!」というタイトルに込めた意図や、信頼できるメンバーが見つかって、「雨蛙」を演奏できる感慨など、想いが語られることで深みに届く部分は、間違いなくありました。
キャラを作っているようにも見えるのだけれど、ときにストレートすぎるほどすべてを曝け出しているようにも見える。
そのうえで、"必ず、あんたらの何かを変えてみせる"と力強く宣言する姿には、本当にルーキーバンドか、というぐらいの貫禄を感じます。
ルーキーバンドだからこそ、なのかもしれないけれど。
とにかく、ずっと彼らが紡ぐメッセージを飲み込んで、そこから生まれてくる感情を処理して、という濃密なライブでした。
演出とは別のベクトルで、映画を見ていたような。
本編最後の「嫌いな写真が嫌に美しい。」まで、本当にあっという間。
もう一度、見逃したシーンを見るために、考察ブログか何かを読んだうえで再訪したいな、ぐらいの心持ちですよ。
アンコールは、ステージ後方のスクリーンに「人として人で在る様に」のMVを流しながら、字幕にて、この日に発表された告知などを。
5月に、また無料ワンマンがあるとのことで、nuriéによる人生ドラマ、見逃した方はこちらをどうぞ。
実際に演奏された「人として人で在る様に」は、初見で名曲とわかる歯切れの良いロックナンバー。
口笛の部分でマイクを口元に持っていっていたので、あれ、生で再現していたのかしら。
だとしたら、かなり口笛スキルが高いと思う。
ラストは「15才」で、最後まで熱量を保ったままのクロージングでした。
スマホライトでステージを照らすフリ、今後もお約束として定着していくのだろうか。
彼らの楽曲とは親和性が高くて、ハマっていたかと。
ペース配分やプラスアルファの演出など、初ワンマンを経験しての課題は見つかったと思いますが、まずは尖ったままここに持ってこれたということで、シンプルに立ち会えてよかったなと。
まだまだ大きくなれることを確信。
その第一歩を見届けたという充実感が、余韻として響いていました。
1. 透明に混ざる。
2. 命に値札を貼られ生きる。
3. モノローグ
4. 骨太もんちっちくん
5. 【ばいばい】
6. 夜の所為にして
7. 愛を歌わせろ人生。
8. 傘はいらない。
9. 雨蛙
10. 生き継ぎ
11. 嫌いな写真が嫌に美しい。
en1. 人として人で在る様に
en2. 15才