PHANTOM BEAST ROMANCE / V.A. | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

PHANTOM BEAST ROMANCE/V.A.

 

1. 闇を貫く激情の輝き / Calmando Qual feat. 田嶋 武敏

2. 深海 / nue feat. rui

3. -Rosary- / Misaruka feat. Hibiki

 

2015年に行われた、Calmando Qual、nue、Misarukaのカップリングツアーで販売された限定シングル。

タイプの異なる3バンドによるコラボレーション作品となります。

 

各バンドのボーカリストが、別のバンドのボーカリストとして参加。

アイディアとしてはシンプルなのだけれど、実際に音源としてリリースする行動力が伴うと、斬新な企画に見えてくるから不思議なもので。

たとえアレンジが変わらなくても、楽曲の普段と違う一面が見えてくるから面白いですね。

 

Calmando Qualの「闇を貫く激情の輝き」は、nueの田嶋さんが担当。

本家に引き摺られることなく、持ち味であるエモーショナルな歌声を披露しています。

黒いイメージがあったCalmando Qualの演奏が、なんとも瑞々しく感じられたと言いますか、こういう解釈もあったのだな、と。

疾走感のある楽曲をセレクトしたのも奏功していたのでは。

 

nueの「深海」は、Misarukaのruiさんによって色付け。

こちらは、敢えてオリジナルの雰囲気に寄せてきましたね。

浮遊感のあるウィスパーボイスと、ハリのある艶っぽい歌唱を使い分け、語りも含めて見事に再現。

こんな引き出しも持っていたのか、というruiさんの新たな扉を開いた印象ですよ。

 

ラストはMisarukaの「-Rosary-」。

Calmando QualのHibikiさんが、妖艶に歌い上げています。

さすがのベテラン、堂々としたもので、クラシカルで様式美満載のコテコテチューンですら、彼のために作られたと錯覚するほど。

すっかり自分のものにしており、コラボ作であることを良い意味で忘れさせてくれました。

 

トールサイズ仕様だが、歌詞カード等はなし。

3曲で2,000円という価格設定はやや割高な気もするが、ツアー4公演のみの限定販売と聞くと、手を伸ばさずにはいられない。

他では聴くことができない貴重なトラックばかりが入っているというのもポイント。

現在では入手困難であり、ファンアイテムとなってしまいましたけれど、様々な楽しみ方を見つけられそうな1枚です。