GOTCHAROCKAのVo.樹威さん、NIGHTMAREのDr.RUKAさんによるによる単独公演、「同窓会」。
ふたりが、1999年~2001年にかけて在籍していたLuinspearの楽曲を中心に演奏されるという、タイトル通りに"同窓会"的な試み。
当時実現しなかった東京でのワンマンを行うという名目でのツーデイズ、その初日となります。
RUKAさんは、当時の名義である瑠華でのステージとなっており、この日への意気込みを感じました。
サポートメンバーとしては、Gt.Shinobu(Creature Creature)、Ba.TABOKUNと、それぞれのメンバーと接点がある実力派を揃えており、当時、足りなかった演奏力を十分に補える編成に。
過去に、RUKAさんのソロプロジェクト、The LEGENDARY SIX NINEに樹威さんがゲストで参加した際、Luinspearの楽曲を数曲演奏したということはありましたが、そちらをメインに、より深掘りしての単独公演となると17、8年ぶりとなるわけで、人生最初のV系ライブのトリを飾ったバンドがLuinspearだった身としては、もうこれは行くしかないでしょう。
アンコールを含め、演奏された15曲のうち、Luinspearの楽曲は、実に10曲。
しかも、未音源化のままだったナンバーが3曲、再び日の目を見るという。
衣装はさすがに当時を再現というわけにもいかず、シンプルな出で立ちでしたが、とにかく生演奏でこれらの楽曲が聴けたというだけで感無量です。
スタートは、じゅるりと名義で発表されていた「同窓会」。
Luinspear解散後の2001年にリリースされた今回のライブタイトルと同名の楽曲ですが、そこからここに繋がっているのだな、と。
リアルタイムで見ていなかったオーディエンスも相応にいたであろう会場は、ややピリっとした空気に包まれており、スタートダッシュというわけにはいかないのですが、その辺りを見越してか、続く2曲目は、The LEGENDARY SIX NINEの「ALPHA」。
今の彼らしか知らないファンも巻き込んで盛り上がるべく、共通項を探っていきます。
"迷ったら手扇子で!できれば旧型のやつで!"という樹威さんのMCも突破口となり、ライブが進むにつれて、少しずつオーディエンスの動きも増えていったかな。
Luinspearの楽曲として最初に持ってきたのは、1stシングルの表題曲、「Isis...」。
改めて聴くと、構成が複雑で、ボーカルラインも難しい。
本人からしたら稚拙すぎて見ていられないようだけれど、10代後半~20代前半という若さで十分に歌いこなしていた樹威さんのスキルって、やはり当時から相当に高かったのだろうな。
お世辞にも完璧に弾きこなしていたとは言えない演奏陣についても、Shinobuさんから今のスキルでも難しいと言わしめるほどですから、出来る範囲で誤魔化すのではなく、表現したい音楽のためにハードルを高く設定していたということなのでしょうね。
ある種の完成版がここで聴けて、色々と当時を思い返してしまいました。
音源では残されていない「マーメイドイヴ」、「鳳凰の間」が続けて演奏されたパートは、この日随一の超ディープゾーン。
当時はライブでも多く演奏されていたので、うっすら記憶にはあったのですが、ここまでくると懐かしいを通り越して、新曲として楽しめるレベルです。
どちらもキメなどのギミックが多く、構成も複雑で、だけど耽美でメロディアスなV系の王道的な要素も持ち合わせたLuinspearらしいナンバー。
せっかく再構築したのだから、もうこの勢いで音源化しないものだろうか。
「鳳凰の間」の歌詞は、樹威さんにとっては黒歴史的なものらしいから拒否されそうだけれど、あのRPG的なファンタジックな世界観も込みでLuinspearだと思うのですよ。
個人的には、このパートで演奏された「G-CROSS」のシャウトの部分がしっかり再現されていたのが嬉しかったり。
歌モノパートでは、RUKAさんが作曲を担当した「さくら~絶望の悲愁華~」と、音源化されていない長尺のバラードナンバー「深-sin」を披露。
この手の楽曲は演奏力がモノを言うため、彼らの成長が、如実に表れていたのではないかと。
「深-sin」は、当時聴くことができなかった楽曲だったのですが、まさか2018年に聴けるとは。
そして、最も驚かされたのは、「OVER」ですよ。
これは、樹威さんがLuinspearの前に在籍していたRaisonneの楽曲。
ふたりの先輩でもあり、作曲者であるGt.KAZUYAさんが他界したことに触れ、追悼の意を込めて演奏することを決めたとのこと。
音源化されている曲ではありますが、この日の会場に、この曲を口ずさめるほどに聴いている人間がどれほどいたのだろう、というシーン的にもマイナーなナンバー。
まさか聴けるとは想像すらしておらず、思わず声が出てしまいました。
The LEGENDARY SIX NINEの「memento」を挟んでからは、ラストスパート。
「Luvis」、「Veltair」、「Secret Vell~天命なる花嫁~」と、代表曲を立て続けに。
どれも思い入れが強すぎて色々な感情が渦巻くのですが、やはりRUKAさんのドラムで「Veltair」が聴けたというのが、この日一番感極まったポイントだったかな。
特に好きな1曲だったのだけれど、CDではex-Raisonneのeishiさんが叩いていたので、未完成という印象が残っていたのです。
何なら、最後のキメの部分でドラムがズレていたし。
だからというわけではないのですが、この曲を二人が楽しそうに演奏しているのがグッときましたよね。
アンコールでは、お互いを褒め合いながら当時を振り返るという、まさにアットホームな同窓会的雰囲気でのMCから。
「鳳凰の間」や「深-sin」の歌詞解説があったり、「マーメイドイヴ」の制作秘話があったり、翌日の2日目を控える中、未音源化楽曲を改めて聴いてみたくなる内容で、天然だとは思うけれど、狙っていたのであればさすがプロだな、と。
この日は照れもあって控えめだったフリのキレも鋭くなるはずとのことで、都合が合わずに断念したものの、2日目も行きたくなりましたもの。
ここで演奏されたのは、気が早いクリスマスソング「White kiss」と、締めはこの日2度目の「同窓会」。
Luinspear名義で音源化された歌入りの楽曲の中で、演奏されなかったのは「St.XXXの鏡」のみかな。
これは、RUKAさん脱退後に発表されたシングルということもあって、対象外となったのでしょうか。
少し寂しいのも本音だが、むしろ同じシングルに収録された「Veltair」をしっかり演奏してくれたことがありがたいと捉えておきましょう。
あまりにテンションが高まってしまい、ついつい物販でラバーバンドを購入してしまいました。
グッズを買うつもりはなかったのだけれど、なんとなくこの日があった証拠を残しておきたくて。
またいつか、こんな感じでライブをやってほしいなぁ。
行けるかどうかは別として、本拠地だった仙台でもやらなきゃダメでしょ、とも思いますし。
兎にも角にも、しばらくは余韻に浸れそうです。
1. 同窓会
2. ALPHA
3. Isis...
4. マーメイドイヴ
5. 鳳凰の間
6. G-CROSS
7. さくら~絶望の悲愁華~
8. 深-sin
9. OVER
10. memento
11. Luvis
12. Veltair
13. Secret Vell~天命なる花嫁~
en1. White kiss
en2. 同窓会