Sick dictator/@LGOS.
1.Beginning of disease.
2.MADMAN GATHERRING
名古屋を拠点に活動しているガールズバンド、@LGOS。
2016年に発表された、1stシングルです。
ライブ会場と通販限定でのリリースとなる本作。
もともとは歌詞カード付きのCDRで、価格は500円でした。
現在では完売につき、取り扱っているのは歌詞カードなし盤。
こちらは、300円と設定されています。
最近では、女声ボーカルのV系バンドも珍しくはなくなってきましたが、ここまでデスヴォイスやシャウトを押し出すスタイルは珍しいのでは。
本格的なラウド志向というよりも、古き良きを踏襲したコテコテ感が印象的。
特に、「Beginning of disease.」は大半がシャウトによる煽り曲となっており、一部挿入されるメロディアスなパートに移行するまでは、女性であることに気付かないぐらいですよ。
これをガールズバンド界隈における差異化ととるか、V系界隈においてガールズバンドであることの個性を活かせていないととるかは難しいところですが、狙ってやる音楽性でもないので、純粋に好きな音楽を貫いているということなのでしょう。
インディーズバンドの世界でもマーケティングを重視する傾向が強まる中、自我を押し通すというのも、ある種の才能。
まだ垢抜けておらず、ダーク系マイナーバンド特有の痛々しさは出てしまっていますが、これが原石だったと言わせて欲しい。
カップリングの「MADMAN GATHERRING」は、オリエンタルなフレーズを繰り返すギターが耳に残ります。
こちらのほうが比較的メロディアスなのですが、ストレートに歌モノにしたというわけでもなく、語り口調でのメロディが多用され、あくまでコテコテ系のお作法に従う形。
イントロのミステリアスな世界観のまま、雰囲気モノに仕上げても面白そうだったけれど、この曲にこのリフを乗せるか、という面白さはあるのかと。
ガールズバンド+90年代ジャリバン感という組み合わせが、現在進行形で存在しているという事実。
演奏技術の向上は必要でしょうが、口コミで広がることがあれば、ニッチなニーズはありそうな路線です。
Vo:皀疋。さん、Gt.鰐さん以外のメンバーを固定化したいところですね。
ちなみに、ジャケットや歌詞カードに、バンド名の記載がありません。
バンドの経緯として、 @LgoS.から@LGOS.に表記を改めているようなのだけれど、この作品のリリース時は、どちらの表記が正当なのだろう。