共存/BEAUTY MANIACS
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共存
1,000円
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1. broken
2. 体温
3. OVERDRIVE
4. in a spiral
5. fly
ex-ALL I NEED、ex-HUSHのボーカリスト、橋都章人によるソロプロジェクト"BEAUTY MANIACS"。
本作は、2005年にリリースされた1stミニアルバムです。
ボーカリストのソロ作品ではあるが、サポートメンバーを擁し、バンドサウンドで構築。
「in a spiral」のような半インストナンバーまであり、実質的にはそれまで活動してきたバンドでの経験を踏まえた音楽性と言えるでしょう。
特徴的な歌声は好き嫌いを選ぶのかもしれないが、馴染んでくれば癖となって中毒的に響く。
等身大のロックンロールは、発表から10年以上の歳月が流れても、その良さを変えずににそこにありました。
「broken」は、イントロの素朴なギターの音が鳴った時点で、グッと引き付けられた。
メッセージ性が強く、胸に刺さるミドルロック。
1曲目のセオリーはだいぶ無視しているのだが、本作においてはこれが正解なのだと思います。
シーンの中での「共存」がテーマになっているのは、邪道であることを理解しているから。
やりたい音楽を貫き通す彼の信念が、切なくも力強いこの楽曲と上手くシンクロしていたのでは。
プロジェクトで一番先にできた楽曲であるという「体温」は、そこにポップなメロディを足した印象でしょうか。
切なさ、温かさ、優しさなどは、そのまま両手に抱えて、シンプルなギターロックに還元。
この前半2曲でノックアウトされてしまいましたよ。
続く「OVERDRIVE」は、アッパーでノリが良いロックチューン。
テンポはそこまで速くないのだけれど、まくし立てるようなサビのメロディや賑やかなアレンジワークにより、ライブ映えしそうな仕上がりに。
バンドとしてのまとまりも、なかなかのものじゃないですか。
バンドサウンドをベースとしながらも、スクラッチ音やシャウトも織り交ぜ、カオティックな空気を作り出すのは「in a spiral」。
これで繋ぐことによって、シャウトでスタートする「fly」の唐突感が薄まり、楽曲に込めたメッセージを歌い上げる前半と、激しく暴れることを想定したラストシーンとのギャップが埋められて、流れが自然になったのではないかと。
その「fly」は、ボーカルに少しエフェクト加工も施して、ガレージ的な質感も出そうとしたのかな。
最後にハズシを持ってくるのは、いかにもな天邪鬼っぷりですが、こんなこともできるよ、というアピールとしては最適。
音楽性の幅の広がりをイメージさせてのクロージングとなりました。
このプロジェクトは、その後、シングルとフルアルバムをリリースし、晴れて正式バンドacalliに移行していきます。
章人さんの療養による離脱で活動停止となっていますが、いつかまた歌声を聴くことは出来るのだろうか。
今でもときどき、引っ張り出して聴きたくなる1枚。