ROUAGE/ROUAGE
1. シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ
2. Function
3. めざめのうたげ
4. Cry for the moon
5. Mist of Tears
6. hide and seek
7. ark
8. Pa・ra・no・i・a
9. More Trance
10. Creation -審判-
ROUAGEがインディーズ時代に発表した唯一のフルアルバム。
3rd Pressまでリリースされており、それぞれジャケットが異なります。
メジャー進出から解散に至るまで、少しずつ音楽性を変化させていく彼らですが、1994年に発表された本作は、まさに源流。
純度100%の名古屋系サウンドとなっており、ダークで退廃的な世界観に包まれていました。
果たして初期衝動で、ここまでディープなものを作り出せるだろうか、というほどの救いのない暗さ。
内面に深く深く沈み込んでいくような、デカダンスを纏っているのですよ。
この時期のROUAGE特徴と言えば、Vo.KAZUSHIさんの色気ある低音ボイスに、インダストリアル的な質感を持ったサウンドに尽きる。
ゴスやポジパンを昇華させた音楽性。
無機質な冷たさだったり、無感情な悲壮感だったり、これまでに聴いたことがない様式美を持った楽曲が耳から入ってくるのだから、そりゃ当時のリスナーはさぞかし驚いたことだろう、と。
SE的な立ち位置である「シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ」から、ラストの「Creation -審判-」まで、ひたすら内向的なダークサウンドを展開。
耐性ができるまでは、キャッチーでも、激しくもない本作の音楽性に、戸惑ったリスナーも多かったのかな。
玄人好みというか、マニアックというのが正しいのか。
最初はなかなか曲ごとの違いを楽しんだりする余裕もないのだけれど、気が付いた頃には抜け出すことができないほど、どっぷりと術中にハマってしまっているから不思議である。
最初はピンとこなかったけれど、ある日を境に、見違えるように格好良く聴こえたのだもの。
ポイントは、聴き疲れしてきたタイミングで、「Cry for the moon」というベタな王道疾走チューンを持ってくる配慮。
暗いだけなら飽きてしまう懸念もあろうが、メロディアスな楽曲でリフレッシュ。
アクセントを加えてくるにはもってこいの時間帯で、初心者にもとっかかりを与えるきっかけにも繋がっていたのでは。
なお、本作をリミックスしたうえで、曲の入れ替えや追加を行ったベスト盤「-312604806-」も、メジャーからリリースされています。
その時点で脱退しているメンバーが作曲した楽曲が入っていないなどの制約はありますが、音質で選ぶのであれば、こちらも要チェック。
<過去のROUAGEに関するレビュー>