SEEDS style 2000 / Lastier
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SEEDS
800円
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1. SEEDS style 2000
2. この夜空の果てに
3. is the END
Lastierのメジャーデビュー後、6枚目となるシングル。
2000年にリリースされた本作は、実質的に彼らのラストシングルとなりました。
表題曲は、インディーズでの1stシングル、「SEEDS」をリメイクしたもの。
オリジナルは、ジャケット違いのリマスタ盤も発表されていましたので、3回目のシングル化と言えるでしょうか。
その「SEEDS style 2000」は、初期衝動が詰まった疾走感のあるナンバー。
シンプルなサウンドメイクだったオリジナルと比較して、よりテクニカルなギミックが増えましたね。
基本的には生音が主体ではあるのだけれど、ドラマティックになるようにメリハリが際立った印象。
勢いで突っ走っていた部分を整理して、洗練されたメジャーバンドの風格を落とし込んだといったところかな。
良くも悪くも、プリミティブなメロディを特徴とする楽曲。
原曲のストレートさのほうが味があったというリスナーもいるのでしょう。
ただし、衝動性が失われたわけではなく、むしろ、それを引き出すために濃淡をつけたとも捉えることができる。
サビに入ったときの鋭さはそのままで、インパクトは十分に放っていました。
「この夜空の果てに」は、ポップさを追求したミディアムチューン。
透明感のあるギターのリフに優しいメロディが重なり、サビでは壮大に開けていきます。
いかにも、メジャー進出したソフト・ヴィジュアル系バンドのカップリング曲。
Lastierの音楽性からは大きく外れてはいなかったのですが、少しパンチに欠けるかなぁ…
なんて考えていたのだけれど、次の「is the END」を聴いて、このギャップを作りたかったのか、と思い直した。
暗さが付きまとう退廃的な楽曲で、「この夜空の果てに」とは真逆のベクトル。
言葉にすれば"ミディアムテンポのスケール感の大きい楽曲"と、どちらも同じ表現になってしまうのだが、まったく受け取る印象が異なっているから面白い。
こういう聴かせ方もあるのだな、と勝手に納得してしまいました。
本作を最後に、リーダーでもあったGt.Kyoichiさんが脱退。
その後、Lastierはインディーズで活動していくことになり、選曲も相まって節目を感じさせる1枚なのですが、アルバム未収録で、間に落ちたシングルというのが一般的なイメージなのだろうか。
オリジナル盤しか聴いていないよ、というリスナーは、是非聴き比べをしてみてほしいものです。
<過去のLastierに関するレビュー>