Thesauras / AURA | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Thesauras/AURA

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1. Peace of prayer

2. 愛・オーランド(NEW VERSION)

3. Love Magic

4. 夢みる人形

5. O・T・O・N・A

6. 白く白く

7. Shining star

8. Go!Go!Go!

9. OH NO!

10. ドリーミング・ナウ(NEW VERSION)

11. 大きな栗の木の下で(INSTRUMENTAL VERSION)

12. Wendy

 

ヴィジュアル系の先駆け的なバンドとして再評価されつつあるAURA。

本作は、1990年にリリースされた1stフルアルバムです。

 

ホコ天を中心に活動し、エピックからデビュー。

カラフルなヴィジュアルも相まってテレビなどへの露出も多く、メディアからはXなどと一緒くたに括られることも多かった彼らですが、音楽性はポップ要素が強いグラムロックと言うべきか。

シンプルなビートと、派手なギターが、メッセージ性の強い歌詞を飾り立てていました。

 

30年近く前の作品となるので、さすがに音質は悪く、現代のバンドサウンドと比較すればスカスカに感じてしまう。

歌詞の選び方にしても、当時としては最先端だったのだろうが、フラットに聞いたら古臭いのでしょう。

しかし、色褪せないのはポップセンス。

現代風に再構築すれば、余裕でもう10年は現役でいられるのでは、と思えるぐらいの普遍性を持っているのです。

この手の大衆性はアイドル的だと呪詛されがちですが、時間が経つことによって見えてくる武器ですよね。

 

やはり、デビュー曲である「ドリーミング・ナウ」、2ndシングル「愛・オーランド」がキラーチューンとなるのかな。

一度聴いたら忘れないキャッチー性。

前者のサビのわかりやすい掛け合いにしても、後者の明確な盛り上がりどころにしても、こういうアプローチは、間違いなく後世のシーンに引き継がれています。

1曲目の「Peace of prayer」も、隠れた人気曲。

こんなにもスケールの大きい楽曲からスタートするデビュー作なんて、リアルタイムで聴いていたとしたら、相当なインパクトだったのではなかろうか。

 

また、CDにおけるこだわりも見られ、この時代から存在していたのかという特殊パッケージ仕様。

ド派手なルックス、自由な音楽性、プラスアルファで周囲を出し抜こうとするギミック…

ルーツはあるにせよ、V系シーンの源流のひとつとして、AURAの存在は大きかったのかもしれません。

2018年には、新作シングルを発表予定とのことで、こちらも注目。

いよいよ、彼らのポップセンスが現代でも通用すると、自分の耳をもって証明するフェーズになったということですな。

 

ちなみに、本作に収録されている「愛・オーランド」はバンド名である「AURA」として、ベガルタ仙台のサポーターズソングとして定着。

チームが勝利した際に歌われる凱歌として親しまれ、スタジアムゲストとしてご本人がライブを行ったこともありました。

レッズさんがベガルタを歌う。

文字にすると、なんだか不思議な気がしてしまいますけれど。