NEO PUPA'18 / メリーバッドエンド&DEVIZE | 安眠妨害水族館

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NEO PUPA'18/メリーバッドエンド&DEVIZE

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1. crime/DEVIZE

2. 失敗作は夢を見る/メリーバッドエンド

 

無料ツーマンツアー「神と蛇を崇める会」の開催が決まっているDEVIZEとメリーバッドエンド。

2018年始より3,000枚限定で配布されているカップリングCDです。

 

どちらのバンドも、Double River Record所属。

レーベルツアーにて、プロトタイプ版が先行配布されていたようですね。

それぞれ、未音源化の楽曲が収録されているということもあって、無料配布とは思えない贅沢っぷり。

レーベルのオムニバスCDなんて、最近ではとんと見なくなりましたけれど、これなら手に取ってみたくなりますな。

 

DEVIZEは、ex-Lydiacのメンバーに、ex-AvelCainのDr.爬が加わった形で結成されたバンド。

収録された「crime」は、勢いを持って疾走する王道のヴィジュアル・ロックとなっています。

多少のテンポチェンジはあるものの、全編的にスピード感に溢れており、ひたすらメロディアスに展開。

インパクト重視のギターのリフも効いていて、懐古主義の層にも刺さる内容に仕上がっているのでは。

 

このご時世、クリーントーンのボーカルだけで引っ張る楽曲で勝負してくる気概は買いたいところ。

これを聴いて、他の楽曲に興味を持つリスナーもいそうなだけに、解散が発表されてしまったのは残念です。

せめて、残りのライブの動員や、ラストシングルのセールスに繋がれば良いのだけれど。

 

メリーバッドエンドは、「失敗作は夢を見る」で参加。

序盤から禍々しく激しいシャウトをまくし立てる、ダークチューンに仕上がっていました。

メロディにも強みを持っているバンドではありますが、DEVIZEとの比較もあるので、攻撃性に振り切れた判断は間違っていないはず。

 

もっとも、サビではダンサブル、かつメロディアスに。

ワンフレーズを畳み掛けるタイプの構成ながら、曲が進むにつれて崩壊していくかのような演出になっているので、単調には聴こえません。

じわじわと癖になっていく楽曲なので、単体での配布ではなく、カップリングCDだったのが奏功している気がするな。

王道と比較すると映える。

狙って選曲したのであれば、なかなかの策士ですよ。

 

好みの問題ではあるが、両バンドに共通して、ボーカルがなんとなく押し込められたようなミックスになっているのが、少し気になる。

デジタルな質感が現代的と言えば、そうなのですけれど、もっと生々しさというか、迫力があっても良かったな、と。

まぁ、強いて言うならの話ということで。

無料配布モノとしては、かなり満足度の高い作品でした。