Ejaculation / JAKIGAN MEISTER

Ejaculation/JAKIGAN MEISTER

Ejaculation[B type] 3,456円 Amazon

1. Enter the JAKIGAN

2. Don't Suck It Up

3. ワールズエンド

4. ヰタ・セクスアリス

5. 嗜好品

6. なりたかったくなかった

7. a Relic

8. Mercy Killing

9. 名状し難いほど有り余る邪気

10. わるぁふぁ

11. Whatever I May Be

12. 薩婆訶-そわか-

NIGHTMAREのGt.咲人さんによるソロプロジェクト、JAKIGAN MEISTER。

本作は、初音源となる1stフルアルバムです。

本職のギターだけでなく、ボーカルにも挑戦。

インストも２曲収録されていますが、ほとんどが歌入りの楽曲となっており、これまでに見ることができなかった咲人さんの新たな一面を知ることができました。

声質のせいなのか、歌い癖によるものなのか、どことなくYOMIさんを思い出す歌声。

NIGHTMAREのギタリストという事前情報による先入観はあるのかもしれませんが、長年一緒にやっているボーカリストから影響を受けているのであれば、なんだか微笑ましいな、と。

せっかくのソロ活動。

バンドではできない音楽性に振り切ってみるという意図もあったようですが、率直な感想としては、NIGHTMAREの延長線上といったところ。

同期を入れつつも、バンドサウンドをメインとしたナンバーが大半であり、メロディラインも気持ちが良い王道感があります。

ボーカリストとしては、まだ未完成な状況下での作品ということもあって、これを本家でやってほしかったと思わなくもないぐらい。

正統派ど真ん中のNIGHTMAREに対して、踏み込む意識が少し強まった本作のほうが、結果としてバランスが良かったりするのですよね。

もっとも、歌詞のセンスにはだいぶ違いが出るもので。

あえて軽めに書いたようなものもあれば、熟考したのだろうな、というものもあり、"JAKIGAN"が象徴する中二病感は、ある意味表現できているのでは。

中でも、「名状し難いほど有り余る邪気」、「わるぁふぁ」のコンボは、タイトルだけを見ればふざけているのかと言いたくなるけれど、実は、本作中で一番、王道的なヴィジュアルナンバーが続く流れ。

ギャップにドキっとさせられます。

個人的には、「Mercy Killing」、「Whatever I May Be」といった、マニアックな構成とダンサブルなサビを掛け合わせた楽曲がお気に入り。

ベタさはあるが、バンドとの違いを出すには必要不可欠なピース。

後者は特に構成が凝っているので、第一印象だけで楽曲の評価を決めつけず、何度でも聴いておきたい１曲です。

アコースティック調で、淡々と歌い綴られる「薩婆訶-そわか-」も、じんわりと良い味を出している。

それまで派手に決めておいて、最後にこれはニクい演出。

格好良いじゃないですか。

なお、A Typeには、リードトラックとなる「ワールズエンド」のDVDが付属、B Typeにはシークレットトラックが収録。

アートワークも、それぞれ異なります。

このシークレットトラックが問題作ということで、そう言われるとファンでなくとも、一度耳にしておきたいことでしょう。

その際、咲人さんのイメージが壊れるかどうかは、自己責任ということで。