Dʼ ERLANGER TRIBUTE ALBUM / V.A. | 安眠妨害水族館

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Dʼ ERLANGER TRIBUTE ALBUM~Stairway to Heaven~/V.A.

 

1. UNDER THE PRETENSE Remixed by YOW-ROW from GARI

2. LA VIE EN ROSE / HYDE

3. SADISTIC EMOTION / 清春

4. AFTER IMAGE / ACID ANDROID

5. DARLIN’ / Psycho le Cému

6. XXX for YOU / lynch.

7. dummy blue / Angelo

8. LULLABY / INORAN×TERU×HISASHI×ピエール中野×ERY

9. So... / MERRY

10. an aphrodisiac / Justy-Nasty

11. 1999-Shyboy story- / THE SLUT BANKS

12. Dance naked,Under the moonlight. / Rayflower

13. CRAZY4YOU / MUCC

14. MOON AND THE MEMORIES / DEZERT

15. EASY MAKE,EASY MARK / DIR EN GREY

 

再結成10周年。

今もなお君臨するレジェンドバンド、Dʼ ERLANGER初となるトリビュートアルバムです。

 

長く活動してきたバンドのトリビュート作は、その懐の広さを示すかの如く他ジャンルのバンドによるカヴァーが聴きどころになったりするものなのだけれど、純粋にV系シーンに限定した人選になっているのが特徴でしょうか。

しかも、同年代のバンドだけに偏るのではなく、若手からベテランまで、シーンを総括するように集められたといったところ。

改めて、彼らの影響の大きさを感じさせてくれました。

 

序盤から、HYDEさんの「LA VIE EN ROSE」と、清春さんの「SADISTIC EMOTION」と、楽曲的にも面子的にも、おいしいところを立て続けに送り込む贅沢さ。

二人ともフォロワーをたくさん生んだオリジナリティ溢れるボーカリストではありますが、それでもkyoさんの面影がチラついてくるのだから面白い。

HYDEさんについてはバックバンドもDʼ ERLANGERということで、ある種の成りきり感も面白さと捉えたいですね。

なお、ACID ANDROIDではkyoさん本人がボーカルをとっていますので、本家メンバーは全員L'Arc~en~Cielと絡んで参加したことになります。

 

もうひとつの目玉は、 INORAN×TERU×HISASHI×ピエール中野×ERYのスペシャルセッション。

そこまでLUNA SEAとGLAYの融合!という感覚はないのだけれど、TERUさんの声にハマるポップな選曲でした。

本家を意識してであろうガツガツ前に出てくるドラムが、実は気が効いているな、と。

 

カヴァー慣れしているのは、やはりMERRYとMUCC。

前者は自らにハマる楽曲を選ぶのが上手で、後者はどんな音楽性でもとり込んでしまう柔軟性がある。

また、THE SLUT BANKSの「1999-Shyboy story-」は無条件に格好良かったな。

泥臭くもハードに。

完全に自分たちの色に染め上げていて、百戦錬磨の凄みを感じましたよ。

 

Angelo、DIR EN GREYも崩し方とリスペクトの塩梅が絶妙で、黄金世代の意地が見て取れたし、最若手となるDEZERTが賛否両論覚悟でポップにぶっ壊してしまうのも、ある意味で彼らの遺伝子。

Psycho le Cému、lynch.、Justy-Nasty、Rayflowerといった面々も、クオリティ高く仕上げており、もはやすべてがメインディッシュ。

このトリビュートは、当たりと言っていいのでは。