JAPONiCA!! / LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN | 安眠妨害水族館

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JAPONiCA!!/LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN

JAPONiCA!! JAPONiCA!!
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1. 感じたいよ ソバにいたいよ 新しい風と切り裂く光を

2. パンケーキ(Optimistic)

3. bells

4. PROBLEMS

5. からっぽ

 

BiSのプールイによるソロプロジェクトとしてスタートしたLUI◇FRONTiC◆松隈JAPANの1stミニアルバム。

2014年の作品です。

 

音楽制作チーム"SCRAMBLES"の松隈ケンタさんがメンバーおよびプロデューサーとして参加。

作曲者としてクレジットされているのはリードトラックとなる「感じたいよ ソバにいたいよ 新しい風と切り裂く光を」のみとなりますが、複雑なリズム展開や、マイナー調で攻めるスタイルには、どうしたって彼の存在を感じずにはいられません。

 

サブカル色の強いアーティスト然としていて、BiSとはまた異なった方向ではあるけれど、相変わらずアイドルのイメージを振り切っている様子。

上述の「感じたいよ ソバにいたいよ 新しい風と切り裂く光を」こそ、まだキャッチー性を含んでいるのですが、2曲目以降は、暗くてメランコリックな雰囲気が漂います。

大人びた表情で憂いのメロディを奏でる「パンケーキ(Optimistic)」、ロックテイストを強めて疾走する「bells」、とっつきやすいのに演奏面でマニアックなフレーズが目白押しの「PROBLEMS」、変拍子が繰り返される難解さから一転、サビでの開放感がたまらない「からっぽ」と、個性的なナンバーが続く。

言い換えるならば、曲者揃い。

楽曲構成やアレンジの妙に耳を傾けてみても面白いのでは。

 

こうして聴いてみると、改めて驚かされること。

それは、プールイさんのボーカリストとしての成長。

グループで歌うのとバンドで歌うのは別物、ということかもしれないけれど、一人で様々なタイプの楽曲を歌い分けるという作業をこなすことで、今まで見せてこなかった引き出しを表面化したのは事実。

企画力だけで人気を博していたわけではないのだな、と十分に理解できる作品には仕上がっているのかと。

 

なお、LUI◇FRONTiC◆松隈JAPANは、中心人物でもあった松隈さんの脱退により、LUI FRONTiC 赤羽JAPANに改名。

メジャーデビューも果たしますが、BiSの再始動の影響を受ける形で、2017年に解散となってしまいました。

個人的には、松隈さんが噛み込んでいた時期のほうが楽曲の練り込み要素が強かった気がして、改名後のアルバムよりも「JAPONiCA!!」シリーズのほうが好み。

続編である「JAPONiCA!!2」も、ここから更に垢抜けた感があるので、併せて聴いてみてほしいところです。