Welcome to our MADNESS / Seremedy | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Welcome to our MADNESS/Seremedy

 

1. Welcome to our MADNESS

2. NO ESCAPE

3. De Ja Vu

4. SIREN (Falling Down)

5. WORLD DOMINATION

6. Always By Your Side

7. RICHOCHET

8. Tarygan

9. SHIVERING

10. Yellow Flash, dancing light

11. Bulletproof Roulette

12. clousure

13. NO ESCAPE (Japanese Version)

14. De Ja Vu (Japanese Version)


スウェーデン発のヴィジュアル系バンド、セレメディのフルアルバム。
2012年、本作により日本デビューを飾りますが、2013年に解散となっています。

バンドの中心人物であるGt&Vo.YOHIOさんは、当時16歳。
天然ヴィジュアル系として既にソロデビューを果たしており、彼の話題性が先行してのバンドの日本進出となった部分はあるのですが、こちらが本質。
V系へのリスペクトが強かったソロ活動に比べて、Vo.SEIKEさんとのツインボーカル編成が活きたSeremedyは、雑な表現にはなるが洋楽要素が強く出ていて、良い具合にV系サウンドとの融合を果たしていると言えるでしょう。

モダンなメタルをベースにしているあたりは、さすが、V系シーンに影響を受けているだけある。
メロディアスな楽曲が多いのだが、ハードに攻めて、デスヴォイスを轟かせる場面もあり、押さえるべきところは押さえています。
リードトラックの「NO ESCAPE」は、ミディアムテンポの楽曲ながら激しさも見せて、全編外国語で歌われていることを除けば、スウェーデンのバンドだとは思えないV系然とした仕上がりに。

一方で、ポップナンバーの振り切り方が、日本のV系シーンにおける王道的な感覚とは違っていて楽しいな、と。
特に、「De Ja Vu」が象徴的。
テンポもメロディも雰囲気も、大きなハピネスに包まれていて、この2曲を序盤の大事なところで続けるのか、という意外性がありました。
ギャップがありすぎるし、スタートダッシュのセオリーとして外してしまいそうなところ、堂々とぶち込んでいけるのは、大きな強みとなっていたのでは。

 

この「NO ESCAPE」と「De Ja Vu」の2曲は、ボーナストラックとして日本語で歌われたバージョンが収録。

興味深いのは、「NO ESCAPE」は英語バージョンよりも日本語バージョンのほうがしっくり来ていること。

和訳の問題もあるのだが、「De Ja Vu」は圧倒的に英語バージョンがハマっているのに対し、V系度合いが高い「NO ESCAPE」は、特にメロディ部分に英語を乗せにくそうなのだ。

なんだかんだ、日本特有の文化であるヴィジュアル系。

必ず母音が入る日本語に馴染むように進化して、定着していたのだな、とこんなところで気付くという。

 

メンバーが全員20歳以下という時期での作品としては、十分に高い完成度。

ボリュームもあるので、こんな異文化交流も面白いかも。