鐘の音三年、ぶらり旅。@東京キネマ俱楽部(2017.10.15) | 安眠妨害水族館

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ベルの3周年記念となる8都市11公演ワンマンツアー「鐘の音三年、ぶらり旅。」のファイナルに行ってきました。

他にもいくつか見たいライブが重なっていた日ではありましたが、東京キネマ倶楽部という会場は絶対ベルに合うだろうな、と思ったからこちらを選択。

幕や照明をベル仕様にしていたようで、セットにもこだわりが見られました。

 

約1ヵ月に11公演を詰め込んだツアーの最終日。

ひとつひとつを消化試合にするまいという気合いを感じる一方、数をこなしたことによる落ち着きもあって、完成度の高いステージとなっていたのではないかと。

ドラムが一段高い場所にセットされていた利点を活かして、Dr.正人さんが積極的に魅せる演奏をしていたのが印象的。

いつもに比べて弦楽器隊が大人しめだったので、そう見えたのかもしれませんが、全体的なバランスとしてはまとまっていました。

 

序盤、らしい楽曲を固めてもってきて、中盤にゆるめの歌モノを持ってくる。

終盤は再びスパートをかけて走り抜けて、というセットリストになっていたのかな。

ベタではあるのだけれど、新旧の楽曲が混ざっても違和感がなく、成長を示したと言えましょう。

アットホームなMCは少な目だったので、曲を聴かせることを重視した結果だったりするのかも。

 

ワンマンならではの演出としては、アンコール、スタッフと思っていた人が急にハロさんの肩を叩いて、ポロシャツをプレゼントするというサプライズ。

この人、高田馬場の"ばりこて"というラーメン屋の店主さんらしいのだけれど、メンバーの行き着けということで、ラーメン屋風のロゴが入ったものを準備してきたのだとか。

内輪ネタがすぎないか、と思わなくもないが、実は、Ba.明弥さんのベースを作成した技術屋さんの顔もあるとのことで、しっかり音楽面での関わりもある方だったようです。

Gt.夢人さんが早速着替えたうえ、頭にタオルを巻いて、ラーメン屋"べるこて"の店長さんに変身するなど、普段は見ることができない姿を見ることができたという意味でも、見逃せない企画でした。

 

この日の演奏でもっとも脳裏に焼き付いたのは、セカンドアンコールの「真夏のバラッド」。

イントロ、フロアも含めて全照したからこそ見えた光景が素晴らしかった。

通常、照明の関係でステージ上とフロアで、見える景色は異なると思うのだけれど、このときばかりは、会場の全員が同じ景色を見たのだな、と実感できて。

最終日だけ参加した人間が言うのも説得力に欠けるのだけれど、この一瞬のために、11公演のすべてがあったのだな、と感慨深くなったのですよ。

 

そんなわけで、最初から最後まで、ヴィジュアル系のワンマンライブはかくあるべし、と言わんばかりのメリハリがついた内容でした。

ひとつ注文をつけるとしたら、ひとつふたつぐらい、そこからはみ出してイレギュラーを楽しむアプローチがあっても良かったでしょうか。

ダブルアンコールにしても、Vo.ハロさんのテンションが上がってフロアに降りて行ったことにしても、盛り上がったライブのセオリーはひととおり確認できたといったところなのですが、そこまでがシナリオ通りといった感覚もあるのですよね。

もちろん、全力でやっているのは間違いなく、予定調和をこなしているというわけではないし、ヴィジョンを共有したうえでのイメージトレーニングができているということであれば、むしろ成果なのだけれど、まだまだ安定感に走るには早いというか、もうひとつ負荷を課してガツガツ突っ込む姿も見たいというか。

もっとも、これはハイクオリティだったからこそ出てくる欲求ということで、そこは4年目のベルに期待しましょう。

 

ラストは、ステージ上にあったバス停を会場出口に移動する時間を確保する観点もあったのだろう、ツアーのダイジェスト映像が流れて、フルアルバムのリリース&ツアー決定の告知。

映像上で、新衣装のお披露目もありました。

最近のシングルを聴いていなかったので、知らない曲もいくつかあったのだけれど、十分に楽しめるライブだったな。

相変わらず歌謡曲をベースにした楽曲がツボなので、思ったよりも早くフルアルバムが聴けるのは嬉しい限りです。

 

ちなみに、終着駅に辿り着いた手作りのバス停は、この日を最後に捨ててしまう予定だったものの、ハロさんの両親が経営している居酒屋に設置されることになったのだとか。

縁があれば、もう一度お目にかかることもあるのかしら。

 

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