カラビンカのレコ発主催イベント「池袋与太郎行進曲」に行ってきました。
カラビンカ、emmuree、dieSのスリーマンという面子の濃さに、頭から見たかったのは山々だったのですが、悲しくも期末。
業務を終えて池袋に辿り着いたのは、トリのカラビンカがはじまる直前の21時頃というね。
プレミアムフライデーがもっと定着してくれ、日本!
そんなわけで、実質的にカラビンカのワンマンを見に行った形。
1曲目から、この日配布された「思春期」を放ち、淀んだ嫌悪感で包み込みます。
嫌だ、と思いながらも見てしまう、聴いてしまうというカラビンカの真骨頂。
当然ながら聴く人を選ぶものの、この表現を成立させてしまうから彼らは魅力的なのだ。
そして、そこからはイベントを意識した攻撃的なセットリストに。
インストを挟んで空気を作り変えると、「六月の通り雨」、「通り魔行進曲」というキラーチューンのコンボ。
おぞましさは変わらず、なのだけれど、性急なリズムと歌謡曲的なメロディはノリやすく、はっきりと盛り上げる意図を感じる構成でしたね。
「六月の通り雨」、現体制でははじめて聴いたのだけれど、アドリブも含めてマニアックに進化していた気がするな。
このブロックでは、工藤さんが珍しく"頭ちょうだい!"と煽っていたのが印象的。
dieSのVo.荒瀬さんのパフォーマンスを意識してではあるのでしょうが、こういうのが飛び出すのもイベントの面白さなわけで。
この日は、レコ発。
続いて演奏されたのは、リリースされたシングルの表題曲である「春を哭く人」でした。
格好良く決めたいところで、トラブルが発生して台無しになるあたりは、カラビンカらしいというか、工藤さんらしいというか。
もっとも、いざ演奏に入ったらとてもシリアスで、儚くも美しい楽曲をエモーショナルに歌い叫ぶ。
他の楽曲にも言えることですが、この日の工藤さんは、いつも以上に感情最優先。
音源通りに歌うという美徳ももちろんあるのだけれど、彼の場合、音源とはまったく違うものをライブで作り上げようとしていて、そこにグッとくるのだ。
中盤戦からは、ディープなカラビンカ。
"T-BOLANのコピーバンドからはじまった3人"がこの日の設定だったようだけれど、演奏されるのは密室系/地下室系の色を濃く含んだアングラナンバーの連続という。
Ba.松島さんが作曲した「赤い花」の完成度が日増しに高まってきている事実が象徴する通り、松島さん、悠介さんのコンビネーションがカラビンカとしてハマってきた感がありますね。
最後にやってくれたな、というのは、「天井裏発電機」。
曲数もこなして、定番曲である「春を逝く人」への曲フリが入ったところで、これがラストか、と思い込んでしまったのですが、その後に控えるこの楽曲の何とも言えないドロドロした感情。
照明演出も凝っていて、途中で完全に真っ暗になり、音だけが聴こえるという演出が最高でした。
嫌悪感ではじまり、嫌悪感で終わる。
演奏中に幕が下りていくラストも、後味の悪い映画のエンドロールのようで良かったのでは。
アンコールは、「雨ニモ負ケズ」。
今回も、"トーキョーディスニーランド"Tシャツでの登場でした。
曲調としては異色ではあるのだけれど、込められる感情のベクトルが違うだけで、工藤さんの歌のスタンスは変わっていないのだな、と改めて認識。
オーディエンスにも受け入れられているし、これも代表曲のひとつになっていくのだろうな。
客席にいたレーザービームのメンバーが盛り上がり出し、この辺りから身内ノリ感も出てきたのだけれど、工藤さんのキャラクターや池袋手刀のノリが良い方向に働いて、オーディエンスが呼応。
"おかわり"の大合唱がはじまり、おそらく予定しなかったと思われるセカンドアンコールへ。
久しぶりに聴く「畜生の理」でのヒートアップは、ライブの醍醐味に立ち会っている感が半端じゃなかったです。
この盛り上がりこそ、この日のイベントの成果だったのではないかと。
諦めずに行って良かった。
期末の打ち上げに巻き込まれなくて良かった。
1. 思春期
2. inst
3. 六月の通り雨
4. 通り魔行進曲
5. 春を哭く人
6. 寄生虫
7. 勿忘草
8. 赤い花
9. 春を逝く人
10. 天井裏発電機
en1. 雨ニモ負ケズ
en2. 畜生の理