Synthetic Brain/Lucide
シンセティック・ブレイン
2,621円
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1. Energy エナジー
2. Thrill
3. [SN-スノウ-OW]
4. Lesson
5. K-rash
6. 薔薇ノ吐息
ex-LaputaのBa.Kusubaさんを中心に結成されたLucide。
本作は、1997年にリリースされた唯一のCD作品です。
Vo.Tsurugiさん、Gt.Junさんは、後にSTELLA MARIAに加入。
Dr.Shojiさんは、Merry Go Round、Smellsとキャリアを積んでおり、90年代シーンを通ってきたリスナーなら興味をそそる面子といったところですね。
この時代の名古屋系の王道ではあるのだが、ダークで退廃的な世界観と、メロディアスなフレーズが特徴か。
特に、キャッチーな歌メロと、それを妖艶に歌いこなすTsurugiさんの歌唱力は、大きな武器。
「Energy エナジー」、「Thrill」と、初っ端から見せ場が多く、ポテンシャルの高さを示していました。
演奏も安定しており、その辺のバンドであれば捨て曲になってしまってもおかしくない[SN-スノウ-OW]のようなミディアムナンバーも、しっかりと聴かせ、キラーチューンへと昇華させている。
そして、集大成的な「薔薇ノ吐息」のど真ん中っぷり。
これを嫌いな人はいないでしょ、という仕上がりで、さすが、押さえるところは押さえています。
実験的なのは、「Lesson」。
SEなのか、インストなのか、語りなのか、いまいち判然としないアレンジなのだけれど、何故だか聴いてしまうのだ。
[SN-スノウ-OW]までの流れを一旦断ち切り、極端に激しく攻め立てる「K-rash」へ繋ぐ前フリとしても効いているのがポイント。
あるとないとでは、まったくアルバムとしての完成度が変わっていたのでは、と思えるぐらいですよ。
短命だったこともあってか、メジャー流通でのリリースだったわりには、やや地味な存在。
Lucideといったらこれ!というインパクトを残すには要らなかったのも事実でしょう。
しかしながら、耳にしてみれば、さほど色褪せていないから驚かされる。
移り変わりの激しいシーンにおいて、20年も前に、こんなにも普遍的なダークサウンドを作り上げていたなんて、そろそろ再評価してもよさそうな1枚。