TEARS OF THE SUN / Jupiter | 安眠妨害水族館

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TEARS OF THE SUN/Jupiter

TEARS OF THE SUN TEARS OF THE SUN
2,160円
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1. TEARS OF THE SUN

2. WE AGAINST

3. The Crucifixion

4. Guilty as Sin

5. TOPAZ -symphonic ver.-

 

Ba.MASASHIさん、Dr.YUKIさんの脱退から1年が経ったJupiter。

本作は、新メンバーとしてex-ROACHのドラマー、DAISUKEさんと、21歳の若手ベーシスト、RUCYさんが加入して制作されたミニアルバムです。

 

メンバー構成の面からもVersailles色が薄れた中、改めてJupiterとして打ち出していく方向性を明確にしたのが、この「TEARS OF THE SUN」となるのでしょう。

パワー系のドラマーと、瑞々しいベーシストを迎えて、とにかくメタル、メタル、メタル。

従来以上にシンフォニック・メタルに振り切れていますね。

 

ミニアルバムという曲数の少なさを逆手にとった、一極集中的な構成。

緩急をつけてバランスをとる必要をなくし、攻めに攻めたという印象です。

表題曲の「TEARS OF THE SUN」で、お得意のメロスピチューンを響かせると、続く「WE AGAINST」は、すべてのパートにコーラス隊の掛け合いが重なるハードナンバー。

サビで開けるので、メロディアスな側面を維持していますが、デスヴォイスで構成されるそれまでの展開には、ドキっとさせられる。

 

更には、「The Crucifixion」でまたまたスピードアップ。

前半2曲も十分速いのに、ここで最速チューンを持ってくるかと。

激しいだけでなく、Vo.ZINさんが様々な声色で耽美さを引き立てているのもポイント。

これがなくてはJupiterではない、という要素はしっかり押さえていました。

 

後半2曲は、過去の楽曲の再録バージョン。

「Guilty as Sin」は、TERUさんの泣きのギターが冴え渡るファストチューン。

「TOPAZ」は、ピアノとシンセをバックにZINさんが歌い上げるというバラード風のアレンジで。

「Guilty as Sin」が、現体制での再録ということで意義を感じただけに、「TOPAZ」もバンドサウンドで聴きたかったというのが本音かなぁ。

ゴリゴリ重低音を効かせて攻めたアルバムだけに、クロージングはしっとり、というのも理解できるのだけれど、ここまできたら最後まで攻め切っても良かったのでは、と思ってしまいます。

 

全曲、Gt.HIZAKIさんがコンポーズを担当。

それでも、ソロやVersaillesとは違う色を出し、世界を相手にがっつりメタルで勝負するというJupiterの方向感を示したのは、さすがの一言。

HIZAKIさんらしさを感じない強引な路線変更でもないし、新メンバーの伸びしろを勘案すれば、十分これからに期待したくなる内容でしたよ。

 

世界目線で、英詞が増えてきたのが、どう出るか。

勝手なイメージですが、英詞に偏りすぎると、世界観が薄まって一気に古臭くなってしまうのでは、という懸念がなきにしもあらず。

もちろん、これは杞憂に終わってほしいところ。

フルアルバムでは、ここからどう変化をつけてくるのか、今から楽しみです。

 

<過去のJupiterに関するレビュー>

THE HISTORY OF GENESIS

CLASSICAL ELEMENT