PANTHEON -PART 1-/摩天楼オペラ
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PANTHEON -PART 1-(通常盤)
3,000円
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1. PANTHEON
2. Curse Of Blood
3. ICARUS
4. Mammon Will Not Die
5. Excalibur
6. AM6:00に針路をとれ
7. SYMPOSION
8. 何度目かのプロローグ
9. SHINE ON
10. 止まるんじゃねえ
結成10周年を迎える摩天楼オペラのメジャーでは５枚目、通算では６枚目となるオリジナルアルバム。
"PART 1"ということは、そのうちPART 2もあるのでしょうか。
音楽性としては、ミニアルバム「PHOENIX RISING」で示した、メロスピを追求するアプローチの延長線上。
「地球」までは幅を広げる手法をとっていたのに対し、Gt.Anziさんの脱退以降、原点回帰を図っているイメージですね。
ところどころ緩急をつけている部分はあるものの、全体的にスピード感に溢れる硬質なサウンドで占められている。
「AM6:00に針路をとれ」の現実的な歌詞が象徴するように、初期の耽美な世界観は薄れているものの、根本である美しいメロディは健在。
キーボードが入ってファンタジックな味付けをするスタイルも強みとして引き続き維持されており、シンプルになっても、その間で蓄積された経験はしっかり還元されているな、と感じます。
ただ原点に帰ったのではなく、ひとまわり成長した彼らが原点を再構築したと捉えるほうが妥当なのかも。
サウンド面については、特にベースが面白い動きをしていますな。
その他のパートがヘヴィ・メタル的なアレンジにこだわって構成されていく中、重低音を響かせるだけでなく、時には歌うようなフレーズを織り込んでくる。
それが、ヴィジュアルシーンに籍を置くバンドとしての聴きやすさに繋がっているのでは。
また、「PHOENIX RISING」では、どうも強引さがあったギターとキーボードのパワーバランス。
これが、フルアルバムでは大幅に改善されたと思います。
サポートを担当したJaYさんとの相性が良かったのか、純粋にサポートに徹していた前作とは対照的に、ときには主張して個性を発揮する場面も。
インストナンバー「SYMPOSION」を聴いてみても、ひとりだけサポートとは気付かないほど馴染んでいました。
トップバッターのリードトラック、「PANTHEON」でガツンとインパクトを残したのも奏功して、ストレートに畳みかけても勢いを持続。
ヴィジュアル・メタルバンドの真骨頂と言える作品に仕上がったのかと。
コンパクトにまとめたのは、その次の展開への布石だろうか。
ラストナンバー「止まるんじゃねえ」での苑さんの昂った感情がそのまま反映されたようなボーカリゼーションを聴けば、そのタイトル通り、どこまでも突き進んでいく彼らの姿が目に浮かぶようです。
＜過去の摩天楼オペラに関するレビュー＞