血祭 / Mercuro | 安眠妨害水族館

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血祭/Mercuro


Disc.1 Mechanical Side
1. 血塗れの招待状
2. 地獄絵図
3. 血祭
4. 結末

Disc.2 Human Side
1. 血塗れの招待状
2. 地獄絵図
3. 血祭
4. 結末

蘇生を果たしたMercuroによる1stアルバム。
初回限定盤は、三つ折りデジパックに、ピクチャーレーベルの豪華仕様となっています。

フルメンバーが発表された際、ベーシストが二人在籍していたのは、このためだったのか。
収録曲が同一のCDが2枚。
"Mechanical Side"と"Human Side"と振り分けられており、それぞれ演奏メンバーが異なっているのですよ。
ナレーションのレアさんに、オリジナルメンバーの博士さん、幸郎さんは固定。
加えて、"Mechanical Side"では、秋さんが5弦ベースを担当しており、ドラムはリズムマシーン。
"Human Side"では、4弦ベースに祈さん、ドラムに純さんが配置されていました。

収録された楽曲は、すべて蘇生前から存在していたもの。
ただし、レアさんにより歌詞が書き直され、旋律も再構築されています。
これはもう、新曲として生まれ変わった、と言って差し支えないはず。
Mercuroのおどろおどろしいサウンドと、レアさんのゴシックホラーな世界観の融合。
"Mechanical Side"の無機質な空気感も良いし、"Human Side"の血の通った激しさもたまらないのだ。

特に進化を感じたのは、「地獄絵図」。
蘇生後にシングルとしてリリースされており、その意味では、もっとも新鮮味が薄いというか、現体制にて再録されることへのワクワク感が小さかったのだけれど、今となっては、そう思っていた自分を殴り飛ばしたい。
より不気味に、より漆黒に。
ますます表現に磨きがかかった印象ですね。
完成形に、また一歩近づいたのでは。

個人的には、「血塗れの招待状」、「地獄絵図」と、ゾクゾクする世界観が肝となっている楽曲たちは"Mechanical Side"のほうが好み。
一方、「血祭」、「結末」といった勢いのあるナンバーであれば、"Human Side"でのアレンジがとっつきやすいかな。
もちろん、生ドラムで迫力を増した「血塗れの招待状」も捨てがたいし、機械的だからこそ生まれる「結末」の魅力があるのも事実。
どちらにも味があるので、聴き比べてそれぞれの良さを見つけていくと面白いかと思われます。

2016年後半~2017年前半、ここまでMercuroの動きが活発化するとは、誰が想像できていただろうか。
4月には、いよいよ現体制でのライブ出演も決まっており、楽しみはもう少し続きそう。
できれば本格的な新曲も、と言いたいところですが、どこまで期待して良いものなのでしょう。
当初は通販のみでのリリースでしたが、一部店舗でも入荷している様子。
聴き逃すことなく、手に入れておきたい作品です。

<過去のMercuroに関するレビュー>
Complete of Demo Tracks
地獄絵図