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1. プラスチックマン
2. 能力者
ラッコのボーカリストとして活動中のてんてんさんのソロプロジェクト・Re:MY BACTERIA HEAT ISLAND。
本作は、2016年に会場限定で販売されていたシングルです。
1st CDとしてドロップされた「狂犬病」が激しく攻めてきた一方で、続いて送り込まれたのが「SOFT DISK」。
タイトル的には、動と静を表現するうちの"静"に該当する作品なのかな、と予想していたのですが、半分当たりで、半分外れでしたね。
「狂犬病」よりも歌モノに振ってきたのは確かなのですが、だから大人しいか、ハードではないかというとそんなこともない。
純粋にシングルとしてバランスを考慮された1枚に仕上がっていました。
「プラスチックマン」は、バンドサウンドでがっつりと聴かせる疾走ロック。
ポイントとしては、ピアノの音色でしょう。
タイトな演奏に、美しい旋律を加えることにより、お洒落な雰囲気を高めています。
歌メロが80年代~90年代の歌謡曲的なのも、個人的にはツボ。
密度の濃いアレンジで耳の肥えたリスナーを唸らせつつ、キャッチーさを残してとっつきやすさも出していく。
掴みやすく飽きにくい、絶妙なラインをピンポイントで押さえるセンスはさすがですよ。
カップリングとなる「能力者」は、更にピアノの自由度を増して、ヴィジュアル系の枠を飛び越えた感もあるスタイリッシュさ。
サウンドの情報量が多いのだけれど、轟音を詰め込んだというよりも、隙間なく綺麗に並べたといったところかな。
うるささは与えず、すっきりとまとまっているのだ。
一撃でガツンとインパクトを与える楽曲ではないものの、じわじわと味わいが広がっていくイメージです。
歌詞もメッセージ性が強く、これぞてんてん節。
2曲のみの収録であり、集大成と呼ぶには断片的すぎるのだが、ひとつの完成形を見せてくれました。
1度目より2度目、2度目より3度目。
聴けば聴くほど深みにハマる、スルメ系の作品だったな、と。
アプローチの方法はソロプロジェクトだからこそとも言えるのだけれど、これを第二期MY BACTERIA HEAT ISLANDとして正式バンドに昇格させていても面白かったのだろうなぁ。
ラッコを通して気になって、ボーカリスト・てんてんの音楽を深掘りする作品としてこちらを…という流れがあっても良いと思うだけに、実質的に購入する機会が失われてしまっているのが惜しまれます。
<過去のRe:MY BACTERIA HEAT ISLAND に関するレビュー>
狂犬病