狂犬病 / Re:MY BACTERIA HEAT ISLAND | 安眠妨害水族館

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狂犬病/Re:MY BACTERIA HEAT ISLAND


1. 燃ゆる東京
2. Wonderland
3. ハゲ散らかしたジョニー
4. 狂犬病

2015年に活動休止したMy BACTERIA HEAT IsLAND。
そのボーカリストの点々さんが、ソロプロジェクトとして始動させたのが、このRe:MY BACTERIA HEAT ISLANDでした。

本作は、会場限定で発表されたミニアルバム。
ただし、発売前に全曲をYouTube上でフル公開するという"CDが売れない"と叫ばれる現代シーンに、媚びを売るとも喧嘩を売るともとれるチャレンジを実施。
本当の意図はわかりませんが、単純に面白いことをしているな、と。

音楽性としては、プロジェクト名のとおり、My BACTERIA HEAT IsLANDの延長線上。
必ずしもヴィジュアル系の様式美にはこだわらず、その時点で格好良いと思ったロックンロールを貫いています。
スピーディーでハード。
歌詞にはメッセージ性の強さも感じ取れ、点々さんがやりたいことの詰め合わせ、といったところなのかもしれません。

その中でポイントとなるのは、ピアニストがサポートメンバーに名を連ねていることか。
ガツガツと攻めるファストチューンを中心に構成されているのだけれど、ピアノが入ることによって、グッと大人びた雰囲気に変貌。
あえて、それっぽいバラードを外したことで、ピアノが鳴り響くことで得られる新鮮さを最大限に活用したと言えるでしょう。

収録されているのは、激しく勢いをつける「燃ゆる東京」、アダルトな雰囲気を演出する「Wonderland」、2分程度の短い尺でまとめられた「ハゲ散らかしたジョニー」、そして表題曲の「狂犬病」の4曲。
すべてが粒ぞろいである。
特にインパクトが大きかったのは、「ハゲ散らかしたジョニー」。
そもそもタイトルから衝撃なのだが、サウンドを耳に入れても、やはり驚きの連続なのですよ。
サビが一度しか用意されておらず、それ以外はズタズタなハードさと、ジャジーでお洒落なサウンドをいったりきたり。
とにかく度肝を抜かれました。

また、作品タイトルにもなっている「狂犬病」も、ピアノをアクセントとして使いながら、メロディはもっとも歌謡曲的。
これまでありそうでなかった路線の"ハードな歌モノ"を実現しており、キャッチーさがあるので耳馴染みも良いです。
間延びせず3分程度で歯切れよく終えるため、心地良い余韻が残ること間違いなし。
これまたキラーチューンですよね。

なお、点々さんは、新バンド・ラッコの結成を発表。
既に、ミニアルバムをリリースするなど、精力的に活動しており、その影響か、Re:MY BACTERIA HEAT ISLANDとしての活動は一時停止となりました。
ラッコはラッコで長く続けてほしいのですが、これらの楽曲が埋もれてしまうのももったいない。
いつか折り合いをつけて、並行して活動してくれる日が来るといいなぁ。