Mass of hatred / リベリオ | 安眠妨害水族館

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Mass of hatred/リベリオ


1. Mass of hatred
2. LIE
3. APOLOGY

2016年9月に正式始動したリベリオ。
本作は、始動と同時に発表された1stシングルです。

会場限定盤ながら、2タイプ同時のリリース。
A typeは表題曲のMVが収録されたDVD付き、B typeは「APOLOGY」が追加された3曲入りという仕様となっており、ジャケットの色味も異なっていますね。

一発目の音源ということで、まずはハードさを押し出してきたといったところ。
リードトラックとなる「Mass of hatred」は、激しさを前面に出しつつも、展開を工夫してドラマティックに仕上げたナンバーです。
イントロからの導入パートをラウドに特化させたことで印象を強め、王道的に疾走するメロディアスなサビは、とっつきやすさも与える。
その繋ぎが不自然にならないように、Bメロからの流れには特に力を入れていて、全体的なバランスも悪くありません。
ライブをこなして洗練させれば、代表曲になってもおかしくなさそうなポテンシャルを秘めているのでは。

カップリングの「LIE」でも、ハードさは継続。
性急なドラムとウィスパーボイスだけ、というAメロが、フルバンドになって叩き込まれるその後の展開とのギャップを作っており、引き続き演出面でのこだわりも見られます。
押すだけでなく、引くという駆け引き。
あとはメロディアスパートでありがちに陥らず、大きいインパクトを残せるようになれば更に効果的になると思うので、まだまだ伸びる余地はあり。
だからこそ、今後が楽しみになりますな。

B typeにのみ収録されている「APOLOGY」は、メリハリがついたヘヴィーチューン。
SEチックに作り込まれた神秘的なイントロと、急転して邪悪になるラウドなサウンドとのギャップは、ミディアムテンポの楽曲にも、シリアスな緊張感を与えてくれます。
サビでは、やはりキャッチーに。
やや走り気味に聴こえるのが気にはなるが、聴きやすさはあるでしょうか。

全体的にパターンが決まっている感はありますが、その中で動と静を使い分けようとする演出への意識が強いところは好印象。
挨拶代わりの1stシングルなのだから、バリエーションを考えて戦略を練るよりも、今やりたい音楽性をガツンとぶつけてみる、というアプローチは正解でしたね。
これでアイディアを使い切ってしまったのか、それとも、まだまだ序の口か。
その答えは今度の活動で示してくれるのだと思われますが、期待の新人バンドが、またひとつ飛び出しました。