1. 孔雀
2. Mr.Sexy
3. Monkey≦Money
P∽Lが2001年にリリースしたデモテープ。
後にMiss Jelly Fishで活動するVo.シャカさんや、ex-KYOKUTOU GIRL FRIENDのケッチことGt.タイトさん、lab.に参加するBa.ティルさんなどが在籍していた原石的なバンドです。
限定生産での作品ではなかったものの、口コミでじわじわと評判が広がり、品切れする店舗もあった彼らにとって初の流通作品。
2002年にリリースされたミニアルバム「アジアのシンボル」と関連性がありそうなタイトルではありますが、曲被りはありません。
じっとりミディアムテンポで聴かせるのは「孔雀」。
ミディアムといっても、重低音を意識したダークさがあって、綺麗な歌モノという形ではなく、むしろ、ドロドロな展開によるアングラテイストが際立ちます。
鈍器で殴られたような鈍い痛み。
関東での活動だったにも関わらず、名古屋系好きのリスナーから評価が高かった理由も頷けます。
「Mr.Sexy」は、もう少し攻撃性を出していくのだけれど、アプローチとしてはやはりドロドロと。
単音でのギターリフからスタートする不気味なイントロにも惹かれるのだが、真骨頂は、やはり唐突に入ってくるずっしりとした重苦しいサウンド。
安易なシャウトを用いず、硬派で男らしい掛け合いでのサビに、説得力を増していきます。
キャッチーさはなく、お経のようなメロディなのに、耳に残るボーカルラインというのも珍しい。
つくづく、稀有なバンドだったよな、と。
最後の「Monkey≦Money」は、早口で畳みかけたり、疾走感を持たせたりと、これまた異なる仕掛けを見せる。
相変わらずキャッチーなメロディには興味がないようで、吐き捨てるようなフレーズと、平坦なボーカルラインを中心に構成していくのだが、その中でメリハリをつけて耳に残るように工夫するセンス。
ベタに逃げず、最後までこのスタンスを貫いたことも、個性的と受け入れられた要因なのでしょう。
デモテープという媒体であることも勘案すれば、入手しやすい、聴きやすい作品ではないのだけれど、P∽LとしてCD未収録。
聴いておきたい、聴いてもらいたい、そういう作品であることには変わりないですよね。
彼らの場合、広告宣伝やマネジメントの部分で、伸びきれなった印象。
届くべきところに届いていれば、という思いを捨てきれません。
＜過去のP∽Lに関するレビュー＞
アジアのシンボル