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1.遺書
2. Scarification
3. 狂化-EX-
"引越し侍"のCMに、Vo.ロキさんがHIKAKUとして出演。
シーンに話題を振りまいたメリーバッドエンドの1stシングルです。
既にシングルは店舗配布音源を含めて２枚発表していますが、正式なシングルとしてはこれが1stという扱いのようで。
DVD付きのA TYPEと、ボーナストラック「狂化-EX-」を追加したB TYPEの２種類でのリリースとなりました。
どうせボーナストラックを収録するなら、「引越し侍ハ引越シ業者ニ非ズ」を音源で聴きたかったと思ったのは自分だけではないはず。
"世界で一番中二病"なバンドとなるべく、"神・名古屋系"を自称する彼ら。
タイトルを見ても、なんとなくそれが伝わってきます。
「遺書」は、疾走感があるメロディアスなナンバー。
CDをセットして聴くまでは、ドロドロしたヘヴィーな楽曲を想像していたのですが、こんなに王道なアプローチで攻めてくるとは。
彼らの面白いところは、キラキラした現代的な同期が全編的に使われているのにも関わらず、どことなく90年代的な香りを感じてしまうこと。
デスヴォイスに頼らない美しい歌メロや、インパクト重視のリフなど、それっぽい要素をやりすぎにならないくらいに散りばめるのが上手いのです。
ラストにおけるギターのフレーズなんかは、ベタすぎてテンションが上がるのだが、きちんと現代的なフォーマットも意識してカスタマイズしているから、古臭いとか二番煎じだとかはまったく思わないのだよな。
カップリングの「Scarification」は、激しさを強めて。
エフェクトをかけたシャウトと、クリーントーンのメロディを巧みに組み合わせるセンスは非凡である。
キャッチーさは表題曲に劣るのですが、シングル曲とカップリング曲という役割分担をここまではっきり表現しているというのも、彼らの場合狙っているように見えてしまいます。
B TYPEにのみ収録された「狂化-EX-」は、なんともジャジー。
ミディアムテンポで大人びた顔を見せた楽曲で、インパクトでドカンというタイプの作風が多いメリーバッドエンドにとって重宝しそうなアクセントとなりました。
これはこれでベタの範疇ではあるのかもしれませんが、こういう音楽も出来るのか、と。
CM出演の衝撃や個性的なキャラクターという部分が目立っているロキさんですが、ボーカリストとしてもっと評価されてもいいのでは。
スキルの面では安定感があって、そのうえで、意図的にリスナーを揺さぶるような不安定な表現を織り交ぜてくる。
声質も音楽性にマッチしているし、将来が楽しみですよ。
次の展開が待ち遠しくなる１枚。
＜過去のメリーバッドエンドに関するレビュー＞
天地乖離す開闢の音