after the addle apple / the god and death stars | 安眠妨害水族館

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after the addle apple/the god and death stars

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1. into the filtration
2. 濾過
3. cannabis
4. damned
5. after the addle apple
6. elephant in the room

2015年にDr.大嵩潤の病気療養のため活動休止となっていたthe god and death stars。
本作は、⒑ヵ月ぶりに届けられた復帰作です。

デビュー作となる「addle apple」から、約5年。
復帰のタイミングで、それをまったく異なる解釈によりリメイクしてしまうのだから、やることがいちいち面白いですよね。

イントロとなるSEを除けば、曲順はそのまま逆に。
そのうえで、アルバムとしての流れを意識したアレンジにより再構築するアプローチ。
新曲と言っても過言ではないほどの仕上がりになっていて、タイトルの関連性がなければ、完全なニューアルバムと言われても気付かないかもしれません。

例えば、バラードだった「ロカ」は、「濾過」としてありそうでなかったリズムのアッパーチューンに上書き。
一方、疾走感が気持ちよかった「dumb house」は、今の彼らのサウンドの象徴である枯れ感が漂う「damned」にアップデートされた。
「エレファント」については、もっとも変貌したのではないかと思わるくらいにメロディから何から作り直されていて、「elephant in the room」とタイトルが変更されています。

オリジナル盤を聴きすぎたこともあって、もっと違和感があるかと想像していたのだが、ここまで振り切ってくれれば気にならない。
もちろん、オリジナルのアレンジのほうが好きだという面も多々あるのだが、総合的には、the god and death starsの楽曲として完成したイメージです。
間違いなく、本作のアレンジのほうが彼ららしいですな。
どちらにしても昔の楽曲はライブでやらなくなっていたという前提の中にあっては、こうして新たな解釈を与えてくれたことに、感謝しなければならないのかも。

せっかくだから、アートワークについてもオリジナルと関連性を持たせてくれればよかったのになぁ。
と言いつつ、糊付けを剥がさないとCDを取り出せなかった仕様が復活しても厳しいので、そこは良しとしておきましょう。

ただの再録アルバムと侮るなかれ。
再録アルバムとも、ニューアルバムとも違った楽しみ方ができる、味わい深い1枚。

<過去のthe god and death starsに関するレビュー>
賑やかな食卓
mary bird milk
-dawn of the god-
殆ど腐敗
Live at LOFT
addle apple
addle apple trailer disc