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1. 赤い花、冬の解。
2. サヨナラブーケ
2005年に発表された華族の2ndシングル。
Gt.あずささん、Dr.ゆうさんの誕生日のリリースでした。
あずさ、かいじのツインギター編成としてはラストとなる作品。
メインコンポーザーであったあずささんを含むギター隊の脱退劇は、勢いを増してきた時期だっただけに、大きな衝撃を与えました。
すぐに新メンバーが加入し活動は継続したものの、この頃に見られたレトロで大人びた音楽性は薄まってしまうので、本作は彼らのターニングポイントと言えるでしょう。
「赤い花、冬の解。」は、ミディアムテンポのロックチューン。
バンドサウンドをメインにした演奏に、表現力豊かな揺紗さんのボーカルが重なります。
文字にすると硬派なイメージになるのだけれど、実際に耳にすると繊細で、ナイーブさすら感じられる。
大きく盛り上げるのではなく、流れるようなメロディラインにすることで切なさを駆り立て、ラストシーンはその中でもメリハリをつけるようにドラマティックに。
なかなかセンスが光る楽曲である。
「サヨナラブーケ」は、あずささんらしい、レトロさのあるナンバー。
CDタイトルは、「さよならブーケ」なのですが、曲タイトルになると、すべて片仮名になるのですね。
歌メロは歌謡曲っぽいのだけれど、相応にスピード感を意識していて、やはりこちらも切なさを感じさせる。
個性的なのは、ギターのフレーズだろうか。
昭和歌謡的なアプローチに寄せすぎるのではなく、アレンジは和風から遠ざけ、むしろお洒落でモダンな雰囲気を紡ぎ出すのです。
後にTHE KIDDIEのボーカリストとしてメジャーに進出する揺紗さんの歌声は、この段階では粗削りであるも、だからこそのギリギリで表現しているような危うさが味となっているのかと。
必ずしも安定感があるとは言えないのだが、華があって引き付けられる。
楽曲の良さも相まって、ついついリピートしてしまいます。
彼の魅力に触れたければ、遡って聴いてみるのもアリ。
全体的に音が小さいというか、サウンドの迫力に欠けてしまうのは残念だなぁ。
２曲入りとボリュームとしては物足りなさがあるのも事実で、これを最後にあずささんの楽曲が聴けなくなってしまったのは、寂しい以外の言葉が見当たりません。
とはいえ、どちらも彼ららしく粒の大きい楽曲。
名盤には至らなくても、一度聴いて損はない作品です。
＜過去の華族に関するレビュー＞
闘争本能～Battle Soul～
ネオン蝶