9月のワンマンライブ@新大久保QUARTER NOTE(2015.9.13) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

悠希さんの4か月連続ワンマンの1発目、「9月のワンマンライブ」に行ってきました。
急遽決まったということもあり、あまりヴィジュアル系には馴染みのないハコ。
ただし、比較的綺麗で音が良く、なかなか良さげでした。
楽屋側にトイレと喫煙スペースがないということで、悠希さんは憤っていたようですが。

この日は、18:15OPENだったのですが、前日にO.Aが18:15にスタートという告知が杏太さんのブログにてされたため、混乱が起こっていたようです。
悠希さん側からの発表はなく、開場と同時に演奏がはじまるのか、開場が早まるのか、詳細がわからず。
結果として、ある程度全員が入った18:40くらいにスタートしていたので一安心でしたが、18:30を過ぎても入場列に待機しているときのやきもき感といったら。
そういうところ、きちんと伝えてほしかったなぁ。


慎一郎&杏太(O.A)

1. サクラチル
2. 四季
3. 涙日和
4. 三月の雪
5. たからもの。
6. あれから

AREAで共演したときの約束を実現した形。
オープニングアクトと言いつつ、6曲も演奏して、MCもそれなりに。
O.A以上、ツーマン未満といったところで、とても充実していました。

前回演奏されていない楽曲は、「四季」と「あれから」。
ホタル時代の「サクラチル」や「たからもの。」は定番として、久々にジュリィーの楽曲が聴けたのが嬉しかった。
「四季」では、"秋"を2回歌ってしまって、二人が苦笑いするという微笑ましいシーンもありましたが、相変わらずの表現力たっぷり、安定感抜群の慎一郎さんの歌唱力。
杏太さんのギターも、さすが慎一郎さんの強みを知り尽くしているといったところで、強弱のつけ方が絶妙でした。
新曲である「涙日和」、「三月の雪」も馴染んできた感があり、特に「三月の雪」の鬼気迫る迫力は、アコースティックとは思えないくらい。
「たからもの。」では、いつもより杏太さんのコーラスがよく聴こえて、切なさが増幅されていたような。
この曲、まだまだ成長の余地があったのか、と驚かされましたね。

MCでは、ホタル時代に、WESTでのオープニングアクトをやって手ごたえを得たことを覚えているから、今日もやってやる!という意気込みと、人格ラヂオと共演をしたときに、レアの肉が苦手という悠希さんと牛タンを食べに行ったという思い出など。
決める時は決め、外す時は外す慎一郎さんの話っぷりも、杏太さんの突き放すような突っ込みも、ついでに、悠希さんの袖からの茶々入れも、またこういうやり取りがマイペースな活動とはいえ、定期的に見られるようになったのだと思うと、感極まるものがあるというか。
慎一郎さんが地方や海外に転勤になってしまう前に、もっとライブをやってほしいし、はやく音源を作ってくださいよ。
この日の素晴らしさは、「四季」を終えたところでの鳴り止まない拍手が物語っていたと思います。


悠希

さて、本番はここから。
実は、バンド形態では初めて見ることになる悠希さんのソロ。
セットリストは、一部わからない楽曲があったのですが、序盤に「チョコレート」、終盤に「騎士」と、人格ラヂオのナンバーも披露していました。

良くも悪くも、人格ラヂオとは異なるスタイル。
音源で聴くだけではそこまで差異は感じなかったのですが、ライブでは、はっきりと違いがわかります。
序盤の楽曲は、ギターを持たずに、体を使ってアグレッシブに動き回る。
途中でギターを持ちますが、Gt.ケッチさんとパフォーマンスを意識した立ち回りも披露。
人格ラヂオで見せなかった動きでの表現で、新鮮さがありました。
「剥離」、「兎に角」、「失脚」と、楽曲そのものは大人びた雰囲気なのだけれど、それを壊さずに、"動"を示すから面白い。

"真ん中の後ろの動きが微妙"と、彼らしい毒舌満載の煽りで4回ほどやり直した「バンギャル心と秋の空」からは、ポップス路線。
「親友」、「騎士」と、ノリ重視の楽曲を持ってきます。
率直に言って、この辺りの音楽性は求めているサウンドではないのですが、まぁ、楽しいことはよくわかった。
本編ラストの「流星」は、レトロな歌謡曲路線で、なかなか好みでした。
人格ラヂオにもレトロさはありますが、ここまでトレンディな歌謡路線はなかったはず。
ここまでバンドとは異なるアプローチでやっていくのであれば、ソロでやる意味もわからなくはないかな、と。

喉のコンディションがあまりよくなかったのか、動いているからあまり重要視していないのか、声があまり出ていなかったのは少し残念。
小規模のワンマンという位置づけを考えれば、ムラがあるのは織り込み済みというオーディエンスも多いのであろうが、高音の鋭い伸びが魅力のボーカリストだけに、もったいなかったなぁ。

アンコールは、アコースティック編成で登場し、「変身」を。
イントロだけではどの曲はわかりませんでしたが、Bメロの独特な歌い回しでテンションが上がる。
セルフカヴァー作の第二弾が楽しみになる出来栄え。

そして、"せっかく来ているので"と、慎一郎さんを呼び出してカスの「哀愁色のカーテン」。
これもセルフカヴァーに収録されるのだよね。
いつものお約束といったところで、喋りが中心で全然曲に入らないのですが、悠希さんの言う通り、これで一旦、ふたりの共演もひと段落と考えると寂しいものだ。
喋りのテンポも良いし、歌に入ってもコンビネーションが抜群。
もっと聴いていたかったです。

最後は、再びバンド編成に戻って、「つり橋」を演奏。
これ、最後に演奏されるような楽曲だったのか。
なんだか意外な感じがしたのですが、最後は世界観たっぷりの楽曲で締めてくれるのは、個人的には嬉しかったり。
曲数的にはあまり多くはなかったけれど、O.Aが長めだったこと、MCが長めだったこと、アンコール待ちが長めだったことにより、なんだかんだ、10時近くまでやってくれました。
音止めのリミットは過ぎていたようなのだけれど、延長料金、結局かかったのかな…


人格ラヂオと比べてしまって見ていなかった部分はあったのだけれど、違っていたから楽しめた部分があったのも確か。
MCも面白いから、飽きずに見ることができますよね。
タイトルがわからなかったけれど好きな感じの楽曲もあったし、もう少し聴き直してみようかな、と思わせてくれるきっかけになりました。
やっぱり、じっくりと曲が聴けるワンマンは良いなぁ。