安眠妨害水族館的 2015年上半期CD大賞~前夜祭~ | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

もうこんな時期ですか。
時間の流れが速すぎて、まだまだ音楽を聴き足りないというのが本音なのですが、すっかり上半期も終わりとなりました。
ひとつの区切りということで、お約束通りに振り返ってみたいと思います。

本日は、ランキングに入る前の前夜祭。
ランク外とはさせていただいたものの、よく聴いた作品や話題になった作品を紹介していきましょう。


 

Mrs.Billy/スナフキン

¥1,080
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新人賞を与えたいのは、スナフキン。
激しいバンドサウンドと、ゴシックホラーテイストがある世界観。
これを雰囲気モノに終わらせず、現代的なライブパフォーマンスに落とし込んでしまうセンスには、目を見張るものがありました。
経験を積めば化けそうなポテンシャルを十分に感じさせる。
ゴシカルなシンセに、ラップ調のメロディが絡むハイブリッド感には誰もが耳を奪われるのでは。

 



CALL ME…/ペンタゴン

¥1,620
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世間的な新人賞候補筆頭は、間違いなく彼らでしょう。
インパクトのある楽曲に、若手バンドにしては安定した演奏。
音楽的な武器をしっかり持ちつつ、話題作りもとても上手でしたよね。
デビュー盤となる本作も、税抜1,500円のフルアルバムということで、注目を集めました。
"手に取ってみよう"と思わせることに成功し、そのうえで、この充実した内容。
そりゃ、リピーターが増えて人気も上がるわけだ。

 

 

 

Chantyの世界へようこそ/Chanty

 

 

 

 
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ペンタゴン同様、初のフルアルバムをリリースしたのはChanty。
初回盤をあっという間に完売させるなど、勢いがあることを実績で示しました。
シンプルでわかりやすく、だけど新鮮さを感じさせるのが彼らの音楽の強みである。
真っ白な世界観も表現できれば、ノリの良い歌謡曲も披露。
バランス感覚に優れ、ダレない長さでコンパクトな作品を作り上げてくれましたね。
もっと色々な楽曲を聴いてみたくなる一枚。

 


 

サイレン/nüe

¥1,620
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どんどん世界観を深めていくnüeの1stシングル。
ミニアルバムで断片的に示していたサウンドワークを、両極端に振り分けるアプローチがとても面白かったです。
とっつきやすくはなくマニアックな部類の音楽性。
そういう意味では、すぐに評価が高まるタイプのバンドではありませんが、じわじわと中毒者を増やしていきそう。
衝動性を内に、内にと潜らせた神経質な表現に引き込まれたら最後、もう後戻りはできません。



FANTASIA/CHARLES


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結成されたばかりで勢いのあるバンドも良いのだけれど、復活バンドにもスポットライトを。
まさかの復活を遂げた、CHARLESのフルアルバム。
解散から14年経った今、彼らのCD作品がリリースされるとは、いったい誰が想像していたというのでしょうか。
耽美で麗しいメロディの数々。
粗を探せばいくらでも出てくるのかもしれませんが、もはやそんなの関係ない。
デモテープしか残さず解散し、悔しい思いをしていたファンにとっては、リリースされただけで価値があるのです。



  PLANETARY SECRET/BAROQUE


¥3,240
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再結成2枚目となるフルアルバムをリリースしたのは、本作から大文字表記となったBAROQUE。
正式メンバーが2人になってしまったことを逆手にとるような、自由なアプローチ。
晃さんがいたら、このサウンドにはなっていなかっただろうな、とは思うので、baroqueとBAROQUEは別物と考えた方がいいのかもしれませんが、個人的には、このフリーダムさが彼らなのだと認識しています。
優しく包み込むような星空。
一貫性のあるテーマで描かれた、じっくり聴き込みたいコンセプチュアルな作品ですね。

 



小さな銀貨を左手に/amber gris

¥1,620
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始まるバンドや復活するバンドがあれば、終わってしまうバンドもあるのが摂理というもの。
amber grisの最後のおはなしになってしまったシングルも、紹介しないわけにはいきません。
必要以上に終わりを感じさせないあっけなさ。
だからこそ、ぎゅっと心を摘ままれたような切なさ、寂しさ、苦しさが詰まっているようにも聴こえてくるから不思議である。
特に、じんわりと響くミディアムバラード、「arch. 」の素晴らしさたるや。
こんなに良い曲を作るバンドがなくなってしまうのは、本当にもったいないですよ。



解~すべてをほどくもの~/紅蝉

¥3,240
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最後は、今後への可能性を秘めているバンドを。
粗削りながらも成長を続ける紅蝉のフルアルバムです。
和風ダークなアングラサウンドと、おどろおどろしい世界観。
インダストリアルやノイズといったジャンルをそこに落とし込むアプローチの面白さに、ようやくシーンが気づいてきたころでしょうか。
ここらで垢抜けて、ひとつステップを進めたいところ。
貪欲さがあるバンドだけに、期待しています。


こうして振り返ると、2015年上半期はレベルの高い新しいバンドが次々に登場し、シーンの底上げを行った半年であると言えるのかもしれないですな。
キャリア的に、必ずしも若手とは言えないバンドもあるのだけれど、現在のシーンの図式を塗り替えようとする初期衝動が、こうして形となって表れているのが頼もしい。
ここでは紹介しませんでしたが、アンフィルやJILUKAなどの新進気鋭のバンドたちにも、光るセンスを感じましたよ。

さて、明日からはランキング。
楽しみにしている人がいるのかどうかはわかりかねますが、お約束なので言わせてください。
どうぞ、お楽しみに。