愛臭 / Gregoly | 安眠妨害水族館

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愛臭/Gregoly

1. ◯臭
2. 子守唄
3. 声
4. 冷血な温度

名古屋を拠点に活動しているGregoly。
ライカエジソンとライブ会場にて、限定500枚でリリースされた1stシングルです。

SEを含む4曲入りで1000円。
それなら、と手に取りやすい価格設定ですな。
歌詞カードを見てみると、すべての歌詞が鏡に映したよう左右に反転させてあって、ギミックにもこだわるタイプのバンドのよう。
読みにくいのが本音ではあるが、なんとなくワクワクさせてくれる仕掛けですな。

歌モノとしては出だしとなる「子守唄」は、ずっしり重く、ラウドさを強調したミディアムナンバー。
デスヴォイスで激しくいく部分と、ポツリポツリ、ダウナーに歌う部分とメリハリをつけて、サビではクリアトーンでメロディアスに。
構成としてはベタなのだが、不気味に響く"ねーん ねーん ころり"のフレーズは耳に残る。

切ないアルペジオからスタートするのは、「声」。
ミディアムナンバーという点では「子守唄」と同じなのだが、サウンドメイクがガラっと変わっていて、こちらはむしろ白系的なアプローチ。
ギターのリフやソロでのフレーズなど、浮遊感を持たせ幻想的にしようとする意図がありますね。

再び重たいサウンドに戻る「冷血な温度」は、激しく攻める。
ズタズタと畳み掛けたかと思えば、テンポを落としたり、音数を減らしたり。
展開の多さが特徴的な楽曲ですが、最後にこれを持ってくることで、なんだかんだ、ハードさを武器としているバンドだというメッセージになっているのかと。

「声」が他の楽曲とのタイプが異なるため、全体として捉えにくくなっているのは事実。
まずはバンドとしての強みを明確に打ち出したほうが良かったのでは、と思ってしまいますが、「冷血な温度」なんかの忙しなさを見ると、どちらにも振り切れることができることをアピールしたいとも考えられる。
楽曲単体でのインパクト不足は残念でしたが、何かを考えてこの選曲にしたのか、それとも何も考えていないのか、彼らがやろうとしていることについてもっと知りたいと興味を持たせる意味では、次に繋がるワンコインシングルであったと言えるでしょう。

ちなみに余談ですが、レコーディングスタッフやスペシャルサンクスに掲載された人々のTwitterアカウントまで記載されているのが面白かった。
そこまでするなら、メンバーのアカウントも記載すればよかったのに。
5人クレジットされているのに、歌詞カードで確認できるアーティスト写真は2人分のみ。
オフィシャルサイトも現時点ではないようで、音楽性ともども、謎は深まるばかりです。