屈服ゲームオーバー/Proxyon
1. 屈服ゲームオーバー
2. 恋とRPG
3. 少女ロキシオン
4. デリート
Vo&Gt.ショウタロヲ、Ba.水野陽子、Dr.ホソエトモヒロによる3ピースバンド、Proxyon。
ディスクユニオンで限定販売されている4thシングルです。
"テクノポップ・ゲーム音楽を飲み込んだピコピコニューウェーブバンド"ということで、チープな打ち込みを武器としている彼ら。
バンドサウンドと打ち込みとのバランスを整えつつ、8ビット感たっぷりのサイバーな世界観を表現しています。
ジャケットのアートワークも、まさにそんな感じですね。
マイナーコードでほんのり切ない。
そこに、捻くれた変拍子を織り込んで、フックを作り出す。
とっつきやすくも、聴き込みたくなる味わい深さがあって、これは癖になりそうである。
表題曲の「屈服ゲームオーバー」が、まさにそのど真ん中。
構成が複雑なので、演奏するには練習が必要だろうなぁ、と思わせる一方で耳馴染みが良く、サビのキャッチーさは、一度聴いたら忘れられない。
この1曲だけで、勝負アリというインパクトがありました。
「恋とRPG」は、構成がストレートになった分、ピコピコ要素を強めて。
ほどよい疾走感が気持ち良く、メロディラインから漂ってくる切なさが際立ちます。
ダークなフレーズと、仰々しいシンセが特徴的な「少女ロキシオン」は、なんだかんだ、サビまで進むとキャッチー。
ギャップを上手く使って、聴きどころを作るのが上手いと感心させられますな。
最後の「デリート」は、途中まではインストナンバーかと思いました。
サイケでありながら、空間を意識したこの音使い。
テクノポップのピコピコ系、というだけではなく、確かにニューウェーブバンドなのだ。
丁寧に本作を締めくくる雰囲気モノ。
この作品ではじめてProxyonに触れたのですが、もっと早く聴いておきたかった。
過去の楽曲も遡って聴きたいと素直に思わせる底知れなさは、もっと多くの人の耳に届いても良いのではないかと。
とにかく、「屈服ゲームオーバー」のキラーチューンっぷりにノックアウトされた一枚。