T.M.R. LIVE REVOLUTION'15 -天-@ホルトホール大分(2015.5.4) | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

T.M.Revolutionの全国ツアー、「T.M.R. LIVE REVOLUTION'15 -天-」の大分公演に行ってきました。
ツアーはまだ継続していますので、ネタバレを避けたい方はご留意ください。


47都道府県を制覇するこのツアー。
これまでも何度か行ってきている西川さんですが、大分市内は19年目にして初とのこと。
TMRのライブにはじめて来たという人も、相応に多そうでした。

また、今回のツアーは、10枚目のアルバム「天」を引っ提げてのレコ発ライブになるはずだったのですが、諸々の事情で発売が延期。
先にツアーがはじまってしまうというスケジュールとなり、セットリストに未発表曲が多く含まれる中で挑む状況に。
新曲を一足先に聴ける楽しみと、慣れない楽曲、慣れない会場で、盛り上がり方が予測できないという不安が同時にあるのが正直な気持ちですかね。

セットリストは、一部を除くアルバム収録曲を、曲順通りに披露ということなのかな。
最後の「The party must go on」に入る前に、最近の定番曲となっている「SWORD SUMMIT」、「UTAGE」、「Naked arms」を差し込んできたといったところ。

序盤は、やはり探り探り。
アップテンポの楽曲が畳み込まれても、どうしてもワンテンポ盛り上がるのが遅れてしまうというか、曲をじっくり聴きたいオーディエンスと、ライブなのだから暴れなくてはというオーディエンスとで割れてしまい、なんとなくフワっとしていた気がします。
西川さんも、それを理解しているようで、無理に煽るのではなく、魅せるステージングに特化していた印象。
「HEAVEN ONLY KNOWS ~Get the Power~」だったと思うのですが、中央に用意されていた簡易ドラムを激しく連打するパフォーマンスを行うなど、視線で追っても楽しいライブを作り出そうとしていました。

それだけでも、百戦錬磨だな、と感じるのですが、それ以上に感心したのはMCでした。
あえて長めに尺をとり、地方ならではの"大分あるある"を事前に準備していた本から披露。
会場のリアクションを拾って盛り上げ、心理的な壁を取り除いていく。
僕は大分出身ではありませんが、アーティストに"地元を知ってもらえる"という言葉にしにくいタイプの興奮は、地方出身なのでわかります。
ここにいる人たちみんなが、この興奮を共有しているという環境を作り出したことで、大袈裟ではなく、一体感が生まれたのですよ。
本当に空気感が変わった。
ハードなスケジュールの中であっても、きちんとピンポイントでのネタ仕込みに手を抜かない、エンターテイナーとしてのプロ意識を痛感させられました。

「Count ZERO」あたりから、既に発表済みの楽曲の割合が高まってきたことも踏まえ、会場はヒートアップ。
「"体操体系に開け!"の掛け声に対して、"ヤー!"と反応する」という、MCで披露した"大分あるある"が自然発生的に組み込まれ、コール&レスポンスでの返しは、"ヤー!"で行うお約束も出来上がり、ラストの「The party must go on」に辿り着くころには、一体感はピークに達していたのではないかと思います。


定番曲を持ってきたアンコールでも、その流れが継続され、自由に楽しめる雰囲気が醸成されていましたな。
会場によっては、「Albireo-アルビレオ-」や「とっておきのおはなし~新説恋愛進化論~」もやっているようで、それも聴きたかった!というのも本音なのだけれど、「魔弾~Der Freischutz~」、「SHAKIN' LOVE」という構成も、バンドサウンド好きにはたまらない。
「WHITE BREATH」は、またアレンジが変わっていたような。
とにかくハードにガツガツと攻めていました。

ラストは、"全員が力を貸してくれ"と、水樹奈々さんとのコラボレーションシングル、「Preserved Roses」、「革命デュアリズム」を立て続けに披露して締め。
オーディエンスに水樹さんのパートを歌わせ、自身のパートのみを歌い上げるというスタイルでしたが、西川さんなら、水樹さんのパートも歌えるんじゃないかな、と思わせる歌唱力。
この日も圧倒的でしたね。


首都圏では見られないライブだったなぁ。
遠征はしてみるもんだなぁ。

最初から最後まで盛り上がる、どこをとっても完成されたライブは、もちろん良いものである。
だが、徐々に一体感を作り上げていくライブというのも、病み付きになる面白さがあるのだな、と。
地方が盛り上がらないことを、オーディエンスのせいにするマイナーバンドもよく見るのだけれど、彼のライブを見たら、きっとそんなことは言えなくなるでしょう。
楽しかった、以上の収穫がある公演でした。


1.  DOUBLE-DEAL
2. AMAKAZE -天風-
3. 突キ破レル-Time to SMASH !
4. Thread of fate
5. HEAVEN ONLY KNOWS ~Get the Power~
6. Summer Blizzard
7. Salvage
8. Dream Crusader
9. Phantom Pain
10. CRIMSON AIR
11. Count ZERO
12. FLAGS
13. SWORD SUMMIT
14. UTAGE
15.Naked arms
16. The party must go on

en1. 魔弾~Der Freischutz~
en2. SHAKIN' LOVE
en3. WHITE BREATH
en4. Preserved Roses
en5. 革命デュアリズム