極東バミュウダ怪域@仙台MACANA(2015.4.25) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Jin-Machine×えんそく×マイナス人生オーケストラ 仙台・東京・大阪スリーマンツアー「極東バミュウダ怪域」の仙台公演に行ってきました。
前日、Jin-Machineのワンマンが行われていたため、2日連続での仙台MACANA。
土曜日ということもあって、こちらのほうが客入りは良かったですかね。

オープニングは、3バンドのボーカリストが登場してのオープニングMC。
とにかく喋り倒すメンバーたち。
これだけで何時間も行けそうな感じなのですが、そこは、移動の関係で新幹線の時刻が決まっていたfeaturing16閣下が仕切っていました。
普段は散らかす側の閣下が、ハルさん、ぶぅさんという暴れ馬をコントロールしようとしている様は、なんだか新鮮である。


Jin-Machine

この日は、アルバム用の衣装で。
地元バンドがトップを飾るのがこのイベントのスタイルのようです。
本人たちも、それを強く意識しているのが伝わってきて、彼ららしくおちゃらけてはいるのだが、どこかシャンとしているというか。
こういう姿を見れるのが、仙台でのライブの醍醐味なのでしょう。

セットリストは、最近の定番曲が中心。
「大相撲ダイジェスト」、「警察24時」、「Friends」、「たのしい日本語」、「マグロに賭けた男たち」と、その中で上手、下手にモッシュさせる楽曲を固めてきたのかな。
狙ったのか偶然なのかはわかりませんが、とにかくぐちゃぐちゃになってヒートアップする、という会場づくりには成功していたと思います。
レア曲も聴きたかった気はしますが、盛り上げないといけないという地元のプレッシャーもある中、本気セトリを組んできたともとれるわけで。
実際、ワンマンを見た直後でも面白いライブでした。

「たのしい日本語」の出だしでトチったりと、演奏でバタバタしてしまったところはありましたが、それもネタになってしまうくらい何でも許されそうな空気。
「マグロに賭けた男たち」、「じんましーんのくるくるロックンロール」などでは、ワンマンと大差ないくらいに会場を巻き込んだステージングを見せ、見事なスタートダッシュを決めたと言えるでしょう。


マイナス人生オーケストラ

なんだか、この日はハルさんが神憑っていた。
正直なところ、セットリストだけで評価するなら前回のほうが好みだったなぁ、となるのですが、そんなことが関係ないくらいに引き込まれました。
表現のスイッチが入りっぱなし。
彼が歌っている間は息を吐くのを忘れるくらいの、鬼気迫るパフォーマンスでしたね。

もちろん、彼ららしく内輪ネタ的な絡みもたくさん。
ハルさんが小川さんにちょっかいを出すのはいつものこととして、この日は、ぶぅさんをステージに召喚。
帰ろうとするぶぅさんを通せんぼしたり、いじり倒したり、やりたい放題なアウトローっぷりも存分に発揮しており、楽しさだけでない、魅せるだけでない、マイナス人生オーケストラだからこそのステージを実現していたのではないかと。

それが良い具合に作用したのは、ステージから降りて、PA卓やフロアに乱入してから。
おそらく、もみくちゃになってロックな演出をしたかったのだと思うし、最初は実際にそんな感じになっていたのだけれど、何かを察したオーディエンスたちが、ハルさんが通ろうとするところに道を作るようにフォーメーションを変更。
結果として、彼らの盟友でもあるTЯicKYさんの、"ステージから降りたらオーディエンスが触らせるまいと避ける"というお約束を再現してしまうという。
なんと、よく訓練されたバンギャルたち。
ハルさんの"TЯicKYにはなりたくない!"という嘆きには、つい笑ってしまいました。


えんそく

2バンドが、役割を果たして会場を盛り上げた中、トリになったのはえんそく。
ハードルは高かったのですが、個人的に、この日のベストアクトはえんそくだったと思います。
珍しく、面白バンドたちと真っ向勝負でチャレンジしてきた印象。
これが見事にハマって、とても楽しかったという感想しか出てきません。

スタートは、「犬神家の一族」をモチーフにしたコントだったはずが、急展開とともに「ブルーハーツ」の曲振りになっているというウルトラC。
曲も、MCも、とにかく攻めてきているな、と感心しました。
彼らに感じるのは、V系偏差値の高さ。
「ゴードン」、「U.F.Oが来るまで」、「イン・ザ・マリオワールド」と、楽曲の良さは言わずもがなとして、フリのつけ方が上手い。
動きそのものはバンギャルならばわかりやすい簡単なもの。
だけれど、発想が独特で、オリジナリティがあるものに昇華させたうえでフリにしているのです。
「ゴードン」における、中心部を決めて、その周りをぐるぐる回らせるというフリがわかりやすい例でしょう。
見ているだけでも面白い。
やってみれば、もっと面白い。

新曲である「ゴリラの丘」も聴けた。
相変わらず、インパクトが物凄いですな。
タイトルだけで聴きたくなるものがあります。


セッション

最後は、3バンドのセッションでJin-Machineの「さよならアキラメロン」を。
えんそくからは、Joeさん、クラオカさんのツインギターと、サポートドラム。
マイナス人生オーケストラからは、ベースの小川さんと、パフォーマーとして生虫さんも登場。
それに、Jin-Machineのあっつさんを含めた3バンドのボーカリスト4人が参加する形で演奏されました。
メインで歌い上げるのは閣下でしたが、なんとも感慨深いセッションであった。
この曲、何度聴いても好きなんだよなぁ。


仙台という場所によるものか、この3バンドが合同主催を行うことによる相乗効果か。
ある程度、いつも見ている面子だったのですが、飽きるどころか、過去最高レベルで面白かったです。
全バンドハズレがない、おいしいイベント。
千秋楽の大阪には行けませんが、何度でも見たいと素直に思いましたよ。