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1. Entice Ballet
2. Song for Madness
3. 不夜城
現在ではHOLLOWGRAMで活動するVo.漾さんが在籍していたD’elsquel。
本作は、1998年にリリースされたシングルです。
D’elsquelとしての最後の単独音源となったのが、この「Entice Ballet」。
他の作品では聴くことのできない楽曲が揃っており、ファンであれば押さえておきたい音源ということになるでしょう。
当時はまだコテコテバンドの様相ですが、漾さんのボーカルスタイルは既に確立されているようで、艶めかしい歌声がたまらないですね。
「Entice Ballet」は、ダークさを前に出しながらもメロディアスなナンバー。
特にサビでの流れるような美しいメロディは、1stシングル「life trees」の頃は見られなかったキャッチーさも感じられる。
マニアックな雰囲気モノから一歩踏み出し、漾さんの歌声、表現力を活かすアプローチを模索しはじめた、ということかもしれません。
これなら、シングル曲になるのも納得である。
1曲目のアウトロに重なるようにカットインしてくるのは「Song for Madness」。
漾さんのバンド、という意識を持ちすぎると、このクラシカルなイントロにはびっくりすること請け合い。
邪悪でありながら、神秘的。
これまでのD’elsquelのサウンドを踏襲した楽曲であり、不協和音がマニアックに響きます。
ラストは、「不夜城」。
スピード感があり、メロディにはキャッチー性も持たせて。
ギターのリフは、90年代のダークバンドのそれといったところなのだけれど、それがかえってアクセントとなっていると言いますか。
エフェクトをかけているからか、ボーカルが引っ込み気味になってしまっているのが残念ではあるが、人気があったのも頷ける佳曲である。
3曲とも異なる雰囲気、世界観を纏っているようで、聴きやすく面白い作品に仕上がっているのではないかと。
もちろん、それでダークさが消えたわけではなく、それまでのファンも巻き込める内容になっていただけに、この続きにある集大成的なアルバムが聴きたかったですな。
ひたすら沈み込むようなマニアックなサウンドを奏でていた彼らが、ベタさも取り込み、幅が広がってきたことを感じさせていた一枚。
<過去のD’elsquelに関するレビュー>
life trees