白/メカクシ
¥1,620
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1. 躊躇イ傷
2. フェミニストno人生
3. 扉-とびら-
2枚同時でリリースされた、メカクシのシングルの片割れ。
もう1枚の「赤」と合わせて、彼らの"裏表"を表現しているのだとか。
「赤」に激しい曲を詰め込んできたので、こちらは大人しい感じでくるのかな、と思っていたのですが、こちらも案外攻撃的。
メロディアスな楽曲が中心になっているのでメリハリはついているのですが、しっかりとバンドサウンドが際立つアッパーチューンで構成されています。
「躊躇イ傷」は、キャッチーなサビからスタートするメロディアスチューン。
軽快なリズムと、儚いメロディにより、切なさを駆り立てるような。
勢いもありますね。
重苦しさやダークさとの対比で、疾走感を重視したのは良い判断。
続く、「フェミニストno人生」は、ザラザラした歌い方を用いて、ロックテイストを強める。
アメリカンロック風のギターソロや、気持ち良いノリを生むことに特化したビート。
全体的にはシンプルなのですが、そこに捻くれたヴィジュアル・サウンドをエッセンス的に加えることで、癖を作っています。
「白」というタイトルに馴染んでいるかというと疑問なのだけれど、相対的にこちら、ということなのかな。
最後は、「扉-とびら-」。
これもバンドサウンドが前に出ていて、アルバムのラストにも使えそうな抜け方をするナンバー。
サビの開け方は、ライトなリスナーを掴むことができそうな王道路線である。
ソフビ系のバンドがやっていてもおかしくない楽曲に仕上がっているのではないでしょうか。
「赤」同様に、3曲ともアッパーチューンで統一しているのだが、タイプは異なる。
正直、コンセプトからして1曲はバラードを入れてくるのだろう、と予想していたのだが、良い意味で裏切られました。
引き出しの多さを見せ付けつつ、攻めの姿勢も示したということ。
このバンドは、裏も表も、激しさを突き詰めていくことしか考えていないよ、というアピールになっているのです。
さて、"裏表"というテーマの話に戻ると、どちらが裏で、どちらが表なのだろう。
表向きは「白」だけど、裏では「赤」のようなダークさが渦巻いているよ、というのがセオリーなのだが、メカクシとしては、そもそもダークな世界観を売りにしているわけで。
とはいえ、表向きが「赤」だけど、実は純粋で清潔な「白」だよ、というのも何か違う気がする。
あまり突っ込んで考えない方がいいのか、もっと深い意味が隠されているのか。
とりあえず、どちらがおススメかと問われれば、個人的には本作のほうが好みだったと答えます。
<過去のメカクシに関するレビュー>
赤
きさらぎ駅