KARMA+3 / ZEDEKIAH | 安眠妨害水族館

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KARMA+3/ZEDEKIAH


1. 邪鬼
2. ナルシズム
3. 人面獣心
4. KI・RE・TU
5. 人霊
6. Bonus Track 001
7. Bonus Track 002

2014年7月20日、奇跡的な1日復活を遂げたZEDEKIAH。
90年代初頭~半ばにかけて活動していた彼らのサウンドが、2014年にデジタルリマスター音源として蘇りました。

もともと、音楽的な評価は高かったものの、オムニバスに参加した以外は、入手困難なデモテープしか存在していなかったため、"知る人ぞ知る"バンドとなっていた彼ら。
伝説としてコアなファンの間では名前を耳にするも、実際に音楽に触れる機会がない・・・という状況が20年間続いていたのですが、まさか、今になって復刻するとは。
デモテープ「KARMA」に、オムニバス収録曲等を追加してリマスター。
マニアにはたまらない作品でしょう。

このバンドの特徴は、なんといっても、正当派のスラッシュメタルサウンドに、プログレ感のある展開。
ヘヴィーでハードな演奏でテンションを上げつつ、妖しく艶かしいパートで世界観を作り出す。
どこか和風ホラーのような雰囲気も持ち合わせていて、これが本当に90年代のクオリティなのだろうか。
当時の録音環境もあるだろうから、音の迫力、圧力は、生で聴けばこんなものではないのだと思いますけれど、想像する余地を与えられるというのも、考えようによってはワクワクさせられます。

また、忘れてはいけないのが、このバンド、メインボーカルが女性だということ。
歌謡ポップスをやるならまだしも、あの頃のヴィジュアルシーンやジャパメタシーンにおいて、ここまで振り切ることができる女声ボーカルは希少だったはず。
ハスキーで力強いボーカルに、シャウトもこなす。
もちろん、メロディアスなパートでは、女性らしさを押し出して、繊細に詫び寂びを表現。
革新的な手法も受け入れやすくなった現代であれば、もっと注目を浴びていたのでしょうね。

ちなみに、曲目の表記は、CDのジャケットに従いました。
「Bonus Track 001」は、「ZINGARA」、「Bonus Track 002」は、「手弱女」ですな。
強烈なインパクトを残すスラッシーな「手弱女」が、特に格好良い。
激しいサウンドの嵐に飲み込まれてしまいます。
この衝撃は、いつの時代であっても普遍的なものなのだ。

ようやく聴けた、といったところなのですが、ここまで凄まじいとは。
1日復活のために制作された音源ということで、当初はライブ会場での販売だったのですが、現在は、通販でも購入可能とのこと。
メンバーからSNS上でコンタクトを取って手続をするという、アナログな販売経路となっているものの、インターネット社会において手売り感覚を楽しめるというのが、また一興。
関西にお住まいの方は、Ba.Lanaさんの開く海鮮丼屋、「サムライスペース」でも購入できるようなので、そちらに出向いてみるのも面白いのでは。