ハッピーハッピーグロテスク / ぞんび | 安眠妨害水族館

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ハッピーハッピーグロテスク/ぞんび


1.ハッピーハッピーグロテスク

VOICEやZip.erのメンバーを中心に結成された、ぞんび。
2013年に結成したばかりですが、既に注目を集めつつあります。

本作は、会場限定でリリースされた2ndデモシングル。
無地のCDRに、歌詞カードが付属されたシンプルな仕様で、表題曲である「ハッピーハッピーグロテスク」1曲を収録しています。

内容は、疾走感のあるアッパーチューン。
メロディアスな歌モノとしての要素も持ちつつも、テンションの高い演奏と、ギラギラしたシンセが、ダークなパーティーチューンといった雰囲気も作り出しているでしょうか。
ハロウィンがテーマになっていると思われ、メルヘン・ホラーに仕上げるように意識をしているのがわかりますね。

サウンド面では、あまりグロテスクといった印象は受けず、近年におけるV系シーンの王道の範疇。
ただし、楽しげにダークな歌詞を歌い上げるというスタイルも、それはそれでインパクトになるものだ。
わかりやすいアプローチの中に、中二病心をくすぐるドキッとするフレーズを注ぎ込んでくるので、勢いを拡大しているのも理解できますな。

Vo.atomさんの歌唱力も、一定のレベルには達しているかと。
デモ音源という環境面もあってか、その中で垢抜けなさが出ている辺りは、新人バンドらしくて微笑ましい。
そのうちプレミアモノになりそうな期待感や、だからこそバンドを応援していこうという母性を駆り立てる、絶妙の塩梅なのです。
これは、狙って出来るものではないのだけれど、だからこそ、"持っている"気がする。

ミニアルバム「感染るんです。」にも収録されたことで、コレクターアイテムではあるのかな。
もっとも、このミニアルバムも即日完売になっており、どちらにせよ入手困難。
聴きたい人が聴けないのも惜しいので、勢力を拡大したところで、再録でもしてくれませんかねぇ。