- Carmencita/Ant1nett
- ¥1,000
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2.Carmencita (Replies)
3.潜在意識に生息する奴隷願望
4.September Rain (Prologue)
5.9月の雨
6.未完成
7.Unfinished (Club Loneliness)
8.Carmencita (Club Andalucia)
9.Billie Jean (Kawaii English)
Ant1nettの2ndミニアルバム。
国外で発表された作品でしたが、2013年12月に、国内盤として逆輸入されました。
1stミニアルバムである「Kamikaze et Luna」(邦題「異教徒の憂鬱」)も、同日に再発されています。
9トラックで1,000円。
価格的には、とても良心的。
もっとも、「Carmencita (Replies)」、「September Rain (Prologue) 」は、イントロやアウトロの延長線上ですし、「Unfinished (Club Loneliness)」や「Carmencita (Club Andalucia)」は、リミックスのインストですので、歌モノとしては、5曲ということになります。
彼ら、というか、ボーカルのMASAさんは、yabuki名義で活動していた賛美歌やRUNA時代の楽曲を、メンバーやバンドが変わっても再録なしで収録してしまうことも多い。
本作に収録されている歌モノは、マイケル・ジャクソンのカバーである「Billie Jean」以外は、既に発表された前身バンド時代の楽曲ということで、どうなることやら。
「カルメンシタ」は、スパニッシュな雰囲気の前フリや、途中で入るサンプリング音など、なんだかそのままのような・・・
SEを足しているような気もしますが、少なくとも、全部は再録されてはいないようです。
楽曲としては、異国情緒があり、メロディは美しい。
ボーカルが歌いこなせていない点に目を瞑れば、嫌いじゃないという感想にはなるのだけれど。
「潜在意識に生息する奴隷願望」は、賛美歌の1stCDに、「SLAVE~潜在意識に生息する奴隷願望~」として収録されていた楽曲。
さすがに、このバージョンからは音質に改善が見られ、ソリッド感が増しています。
ただし、こちらも再録が多い楽曲。
途中、歌が入っているのにフェードアウトしていき、爆撃等のSEが入ってくる。
歌の再開は、フェードインという、既にあった録音データを、無理やりリミックスしているような構成になっているので、そういうことなのかなぁ。
「Billie Jean」でも、そんな演出があるので、単純に、格好良いと思ってやっている可能性もあるのだが。
ベタでハードな疾走ナンバーですので、こちらも、楽曲としては好きだったり。
「9月の雨」は、ミディアムバラードということになるのかな。
こういう、音数が足りないナンバーは、ボーカルの聞き苦しさが目立ってしまい、厳しいな。
雨のサンプリング音をここぞとばかりに入れてくるのだけれど、てんぷらを揚げている音に聞こえてしまってからは、雨の音とは思えなくなってしまいました。
「未完成」は、クラシカルなメロディアスチューン。
バンドサウンドに耽美さを加え、様式美を意識した構成になっているので、この手の音楽性が好きな人には、意外とすんなり耳に入ってくるのかもしれません。
楽曲は結構好きなタイプのものが揃っていたな、というのが率直な感想。
演出として挿入されるやっつけ感のあるSEや、リバーブをかけすぎて輪郭がぼやけすぎているボーカルラインがネックであるのは相変わらずなのですが、思った以上に聴けてしまった。
オリジナルで聴いた楽曲ばかり、という人には勧めませんが、既存曲とはいえあまり手に入れやすい作品ばかりではないこともあり、導入として耳にするには、価格も安いし、妥当なのかしら。
キャリアの割には、演奏レベルや録音クオリティも高くないですし、成長しているかというのも疑問。
しかしながら、20年近く話題を振りまき続けるyabukiさんは、ある意味、魅せ方を知っていると言えるのか。
まぁ、商業的に成功しているとは思えませんけれど。
ある種のマニア向け。
<過去のAnt1nettに関するレビュー>
Constantinople
Kamikaze et Luna