Primitive moon light / るう゛ぃえ | 安眠妨害水族館

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Primitive moon light(DVD付)/るう”ぃえ
¥1,260
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1.Primitive moon light

2006年に「Irony sun light」との同時にリリースされたシングル。
タイトルやジャケット等には統一性があります。

CDには、表題曲1曲を収録。
ギターのアルペジオと、呟くようなボーカルが重なって始まる、ダークナンバーです。
「Irony sun light」では控えめだったツインギターが、こちらでは歪んだサウンドで主張。
重さ、激しさが随所に見られるのですが、Bメロでは、穏やかで神秘的な一面を見せるなど、一筋縄ではいかないところが面白いな。

Aメロの出だし、無音にウィスパーボイスが響くところで、ゾクっとくる。
サビについても、歌い出しとそれ以降とで変化をつけ、耳に残るように工夫されており、メロディを闇雲に増やすのではなく、しっかりとインパクトのあるフレーズで勝負するのだという意気込みが感じられます。

特に、サビでファルセットを多用することで、中毒性を増している気がしますね。
今にも途切れそうな浮遊感が、ダークで荒々しいサウンドに、繊細さをもたらす。
ともすれば、危なっかしさでもあるのだけれど、聴いているうちに癖になってしまいます。
ただし、ひとつ言うなれば、"悪戯な月光(ムーンライト)"という歌詞のセンスはどうなのよ。
Vo.手鞠さんの描く世界観は唯一無二で好きなのだけれど、この頃は、まだ玉石混淆といったところかな。
もちろん、シングル2枚で、対極の世界を表現しようとする試みも含めて、現在の際立った表現力の片鱗は、本作においても見ることができますので、それは書き加えさせていただきますが。

DVDは、地下倉庫のような場所での演奏シーンがメイン。
演奏シーンが中心で、相応に雰囲気はあるのだけれど、「Irony sun light」との連関性を、映像でも示してほしかったなぁ、と思ったり。
これが悪いってわけではないものの、せっかく、ジャケットをシンクロさせるなどの拘りを見せたのだから、何らかの解があっても良かったでしょう。

この曲、ベストアルバムには収録されなかったのだよな。
そういう意味では、ファンなら押さえておきたいシングルなのかもしれません。
"「Irony sun light」はベストで聴いたからいいや。こちらだけ買おう!"という人は、ジャケットが似ていて、間違えやすいのでご留意を。
もっとも、これを買うならば、一緒に「Irony sun light」も入手しないと、片手落ちな気がしてしまうのがV系ファンの性なのだけれど。

<過去のるう゛ぃえ(Ruvie)に関するレビュー>
from end.
good-day.good-night.
Irony sun light